登場人物紹介 その9
・ビ・シフロール(本名ルナベル・エバミール、人間、年齢不詳)
護符師のよく着る黒いローブをまとい、肩から革製のカバンを下げ、長い赤毛を後ろにまとめている。歳の頃は三十代ぐらい。気品に溢れた横顔と、理知的な光を宿す鳶色の澄んだ瞳を持ち、一見穏やかそうだが、全身から醸し出す雰囲気は実力ある者が見ればただ物ではないことが即座にわかるほどであり、底知れぬ何かを内に隠し持っている。
莫大な魔力を有し、誰も作ることが出来なかった護符をいくつも生み出した彼女は若くして符学院を優秀な成績で卒業した後、貴族のウイルソン・エバミール子爵と結婚した。
結婚後も護符造りを極めていった彼女は、持病の糖尿病に悩まされながらも凄まじい力を秘めた護符を何枚も制作しては、自分の病気を治す資金のために売りさばいていった結果、彼女の護符造りの能力を欲する悪しきやからに目を付けられ、何度も誘拐されそうになった。また、逆に彼女が余所の手に渡るのを防ぐため、悪人に命を狙われたことも一度や二度ではなかった。
家族に危害が及ぶのを恐れた彼女は、ルセフィを出産した数年後に、病気で死亡したことにして、名前を変え、何処にか姿をくらました。もっともトラブルメーカー的体質の彼女は表世界から姿を消すことは出来ず、偽名のまま様々な活躍をしたため有名になっていった。人々を悩ます銀色の悪龍を一人で退治したり、津波で流されそうになった村を救ったり、人間を喰らうマンティコアを征伐したりといった数々の武勇伝が巷間に広まっているが、真相は不明である。
いわゆる噂に名高い伝説の魔女その人であり、ルセフィの実の母親にして尋ね人である。この物語のキーパーソンの一人であり、過去に夫と共に白亜の建物を訪れたこともあり、セレネースの誕生にも深く関わっていると考えられる。
確認されているだけでも、周囲数十キロ四方を数ヶ月間にも渡り吹雪が荒れ狂う冬の護符や、光り輝く電撃が迸り対象物を一直線に射ち抜く雷の護符、魂のないただの物質に命を吹き込み、その物質に準じた人の形に変化させ人間同様に思考したり行動したり出来るようにする入魂の護符など、様々な規格外の護符を作成している。
白亜の建物の出現を予知することが出来、聡明で戦闘にも長けた才能の塊みたいな人だが、唯一惜しむらくはネーミングセンスに欠けていることだと思われるw(ちなみにルセフィと命名したのは夫の方です)得意料理はレモネード。
数年前に病気が悪化し帰らぬ人となり家の床下に葬られたそうであるが、真実かどうかは甚だ疑わしく、ルセフィも懐疑的である。現在どこで何をしているのか気になるところではあるが、何やらフシジンレオと深い関わりがありそうである。ルセフィ以外にも、符学院のグラマリール学院長もその存在を気にしているという噂もあるが…?
ってか一人の人間の紹介にこんなに文字数使っちゃったの初めてだよ!w
次回からは「眠れる海魔の島(後編)」が始まります。お楽しみに!




