ガチャ81 恋人へ近づく影に、気づけない魔法剣士
そのままリュウを中に引き込み、鍛えられた胸板にそっと手を置いた。
頬を上気させながら、ゆっくりとボンテージのジッパーを下げる。
零れ落ちる巨乳。
トップに実る小振りのチェリーがボンテージに擦れ切なくなる。
マリは瞳を潤ませながら、そっと太股の付け根に手を置いた。
「ああっ! 欲望がここに吸い込まれていく! ……たまらないっ!」
ボンテージを脱ぎ捨てた小悪魔の恍惚とした顔。
内腿を擦り合わせる微かな音。
ピンクのクロッチに広がる染み。
ツンとくる誘惑の色香。
「……劣情はスパイスだ。甘美な欲望を、さらに甘くしてくれる。マスター。もっと、感じさせてくれ」
「断る。俺には待たせている女がいるからな。他のやつを当たれ」
「マスターが断るのを断固拒否する! どうしても責めてくれないというのなら仕方がない。ワタシがマスターの劣情を引き出して見せよう……フフフ」
マリは、もがくリュウを組み伏せ、柔肌を押し付けながら小悪魔スマイルを浮かべた。
――数分後。
「ふぅ。マスター。スパイスの効いた劣情であった。これで気持ちよく寝れそうだ」
「……フン。俺の気分は良くないがな」
「フフフ。それが果たして本心なのか。次回、マスターの御神体に直接尋ねるとしよう」
「……次は絶対に、触れさせんぞ」
「ふふ。次回もガードを潜ってみせる」
マリはグッと拳を握り、露出度の高いボンテージから零れる下乳を大きく揺らしながら、ディザイアクロックの中へ吸い込まれるように戻っていった。
「……なんて強引な女」
リュウは勘の鋭い女性陣を思い出し、責められることを覚悟せざるを得なかった。
ため息をつき、気分を切り替えて聖天幕を展開。
純白のドームが瞬時に形成される。
屋敷ほどの広さを持つ聖天幕内に入り、操作盤で空調を整えた。
リュウはグリードムントの指環から球体サファイアを取り出し、
「展開」
と短く呟く。
球体サファイアが光を放ち、大人が何人も入れそうなバスタブへと変化。
湯気を上げるアクエリアスの泉。
リュウはゆっくりと足から浸かり、汗と体液を洗い流す。
目を閉じ肩までどっぷりと沈んだ。
包み込む蒸気が、なんとも心地よい。
このまま眠ってしまえればどんなにいいか。
しかし、一つだけ確認し忘れていることがあった。
「ステータスオープン。……ククク。悪くない、な」
―――――――――――――――――――――――
名 前 リュウ
種 族 人間
ランク C
レベル 227
HP 1489/1732
MP 13/8299
筋力 1284
魔力 1056
耐久 977
敏捷 1593
器用 852
幸運 EX
スキル
【レアガチャlv2】(希望の宝玉の上位互換)
【刻印lv2】
【異世界言語翻訳・通訳】
【鑑定lv8】
【気配察知lv7】
【MP増加lv7】
【身体能力強化lv4】
【千里眼lv7】
【ウォールランlv8】
【銃lv6】
【剣lv9】
【二刀流lv3】
【格闘lv7】
【魔力操作lv10】
魔法
【雷魔法lv9】
【サバイバル魔法lv10】
称号
【ゴブリンキラー】
【極大魔光を宿し者】
【雷王】
【魔法剣士】
加護
【ガチャ神の加護】
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200を大きく上回るレベル。
MP増加スキルレベル上昇によるMP値の急上昇。
身体能力強化スキルレベル上昇に伴う筋力、耐久、敏捷の大幅補正。
新しく手に入れたスキル『二刀流』
称号『雷王』と共に更なる飛躍を迎えるであろう雷魔法。
剣と魔法を同時に操る者として世界に認められた証である『魔法剣士』の文字。
その他にも、各種スキルのレベルが増加していた。
全てを見終えたリュウは、薄ら笑うと今度こそ微睡みの中へ意識を沈めて行った。
◇◇◇
台車に乗った酒樽が小刻み揺れ、段差を跨ぐたび、カタカタと音を立てる。
緊急依頼に飛びついた人々でごった返す王都の大通りを、エリーは鼻歌を歌いながら台車を押して戻っていく。
冷たい風が吹く中でも、春の陽気を感じさせる名も無きこの歌が、エリーは好きだ。
アンナがケンと買い出しと称してデートにいくとき、いつも機嫌よくこの鼻歌を聞かせてくれたのだ。
最近はエリーが買い出し係に任命され、その機会が減っているのは、アンナがケンの料理をウマイと言って食べすぎたことにも原因があると、エリーは思っていた。
「お母さん、痩せてたときは自慢の女将だったのになぁ。もったいない」
そう言いながら、エリーは自身も心なしか太ったような気がしていた。
誰が見ても、出るところは出て凹むべきところは凹んでいる体を見回し、そっとため息をつく。
今日こそダイエット用マジックアイテムをお金を出し合って買わないか提案してみよう。
そんなことを考えながら、やすらぎ亭の玄関にたどり着き扉を開けようとすると『事情があってしばらく休業さ!』とアンナが書いたであろう貼り紙を目にした。
「なんで? なんにも聞いてないよ?」
当然のようにかかっている鍵を急いで開け、アンナがいるはずのカウンターへ向かう。
しかし、カウンターはがらんどうだ。
まるで神隠しにでもあったみたいに、人の気配がなかった。
慌てて引き出しを開け、客室の鍵を確認する。
鍵は1つ残らず引き出しにあり、綺麗に整頓されていた。
伝票刺しに連なっているのは、宿泊キャンセル依頼書と領収書の束。
つまり、誰も宿泊していないのだ。
(嫌な予感がする。
大抵当たっちゃうんだよね……。
こういうときって!)
エリーは祈りながら食堂へ走った。
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