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ガチャ63 密林の覇者 ドラゴンワーム

加筆終わりました! 寝落ちして遅くなりました。

申し訳ありません<(_ _)>

累計300到達記念投稿です!!

読者の皆様に感謝を込めて。

 全身を紫紺のオーラで包まれたリュウがドラゴンワームの真横に出現。身体をその場で捻り、半回転させながら炎剣を抜刀。


「焼き切れ、フレイムタン!!」


 解放の言葉と共に噴き出した炎がドラゴンワームの硬化した鱗を高熱で焦がし、魔法銀製の鋭い切っ先が分厚い肉を斬り裂いた。


「……ギュィイイアアアアア!!!」


 胸元から鮮血を飛び散らせているドラゴンワームの、怒りと痛みの混ざった絶叫が密林に響き渡った。

 リュウは手首を返し、先ほどの剣線を逆からなぞるようにして追撃を加えようとする。

 だが、刃が届く直前でドラゴンワームの尾が自身の身体に巻き付こうとしているのに気がつき、フレイムタンを止め、後方へと全力で跳躍した。

 

(今ので仕留められなかったか! 轟纏雷ごうてんらいでの敏捷力強化は長持ちしない。早めに終わらせないとまずいんだが……)


 紫紺の輝きを身に纏うリュウはドラゴンワームの胸元についた傷が再生されていく様子を見せつけられ、眉を潜める。

 対するドラゴンワームは大きなダメージを与えてきたリュウを『魔力を多く含む上質な餌』ではなく『倒すべき敵』として認定。細長い目をさらに吊り上げ、リュウを睨んでいた。


「厄介だな……。その再生能力は!」


 リュウはそう言いながら強化されている敏捷性を如何なく発揮し、深手を負ったドラゴンワームが追いきれないスピードで接近。紫紺の閃光がドラゴンワームの横を通り抜けた。すれ違いざまに振るわれた紅刃が巨大な胴体に3本の線を描く。

 しかし、先ほどより硬度を増した鱗に切れ目を入れることには成功したものの、完全に突破することはできず、肉を裂くには至らなかった。


(蛇野郎め。そのまま油断しておけばいいものを!)


 走り抜けたリュウはそう思いながらフレイムタンを納刀。

 ドラゴンワームの方へと向き直る。

 忌々し気に送った視線の先では、深手を負ったはずの胸元を完全に修復されたドラゴンワームが、身体をばねの様に収縮していた。

 リュウがホルスターに手を伸ばす。

 その瞬間、ドラゴンワームが弾かれるように飛び出した。


「クッ!」 


 リュウを嬲り殺し、楽しく食事しようとしていた時とは違い、本気を出した密林の覇者の体当たりは樹木を砕きながら、最短距離でリュウへと迫っていく。

 

 リュウは戦闘開始時と比べ倍近くのスピードを出して突撃をしてくる巨大なドラゴンワームをギリギリで回避することに成功した。


 しかし、ドラゴンワームはまたしても尾を上手く使って制止する。そこから巨体を生かしてリュウを押しつぶすべく下半身を捻り上げ、リュウめがけて尻尾を打ち下ろした。

 大木をもあっさりとなぎ倒しながら、重量感のある尾がリュウへと迫る。


 頭上から高速で振ってくる尻尾の軌道を読み切り、すんでのところで横へと交わしたリュウ。

 着地したドラゴンワームは、上位者であると誇示するようにリュウを上から見下ろしながら、喉元を大きく膨らませていた。

 牙の隙間から白煙が立ち上り、液体が蒸発するかのような耳障りな音が鳴っている。

 

――両者の視線が重なった。


(ここでブレスだと!)


 全身に走る強烈な寒気。

 リュウは強酸アシッドブレスの射程範囲から抜け出すために全力で跳躍。

 続けてエアステップシューズを起動。

 連続で虚空を踏みしめた。


 しかし、僅かに左足に強酸アシッドブレスが掠ってしまう。

 高ランクマジックアイテムであるエアステップシューズと高い耐久力を持つ劣竜革ボトムを溶かした上で、リュウの肌に火傷のような傷を負わせていた。

 

 リュウは銀髪の間から覗く額に汗を滲ませながら樹木の上に降り立ち、グリードムントの指環からリジェネポーションを取り出して飲み、HP回復ポーションを足に振りかけ、痛みを緩和させる。続けて、MPポーションを数本連続で一気に飲み干していった。


(なんて威力だ! 刻印でMPを込めて耐久性も向上していたんだぞ。次は掠ることも許されんな。流石に連発は……)


 リュウがそう考えていると、ドラゴンワームの喉元に複数の高魔力反応が見られた。


「……できるのか! クソッたれ!!」


 ドラゴンワームはリュウへと振り向きつつ、2回続けて強酸アシッドブレスを放ち、再び全身を収縮させた。


 リュウはドラゴンワームがブレスを放つ直前に樹を蹴っており、射線の間に生まれたスペースへと逃れている。

 しかし、ドラゴンワームにとっては蠅のように飛び回るリュウがブレスを回避するのは想定内。

 誘導した場所へ逃げ込んだリュウを見て、ドラゴンワームは舌なめずりをし、溜めていた力を解放。

 圧倒的な質量の肉弾となって跳躍した。


(誘われた!?)


「頭が回るじゃないか、蛇野郎!」

 

 リュウは追撃を防ぐべく魔弾の拳銃で牽制のため発砲。

 修行の合間に作成した300MP弾が白銀の銃口から連続で射出され、接近してくる巨大な的に吸い込まれるように当たる。

 着弾した6発が火花を散らしながら硬い鱗を突き破った。


「ギュアア!?」


 ドラゴンワームにとって極めて小さな再生可能である傷だが、本気で硬化した己の身体にダメージを与えられるほどの威力があることに困惑し、一瞬動きが止まる。 


「おい。これでお終いか? たいしたことないな。お前」


 言葉は理解できずとも、矮小な人間が密林の覇者たる己のことを馬鹿にしていることだけは伝わった。そう感じたドラゴンワームは痛みを忘れるほどに怒り、狂ったように絶叫する。


「……グシュアアアアアアアアアア!!!!!」


 ドラゴンワームは狂気を宿した目つきでリュウを睨み、魔力を溜めて強酸アシッドブレスを乱れ撃つ。


「同じ技が何度も通用すると思うな!」


 強酸アシッドブレスの攻撃範囲と飛来速度をおおよそ掴んだリュウは、挑発を繰り返しつつ最小限の動きで球体状のブレスを回避し続け、密林の樹々を渡り飛び、洞窟の壁面へと着地した。

 そこへ肉弾と化したドラゴンワームが突っ込む。


 リュウは口角を上げ、フレイムタンを納める鞘に残存する魔力のほぼ全てを込めつつ、ウォールランで壁面を駆け上がった。

 渾身の体当たりを避けられたドラゴンワームは壁面にぶつかり岩を砕いてめり込んでしまう。

 

 ドラゴンワームが壁面から身体を出し、上を見上げると紫紺のオーラを纏うリュウが大穴付近の天井に吸い付くように立っていた。

 当然のようにブレスを吐こうとするもMPが足りず、必要な魔力が喉元に溜まらない。

 そんな様子を見ていたリュウは呆れたように冷笑を浮かべる。


「かかってこい! 俺はここにいるぞ」


「ギィアアアアアアアアアア!!!!」


 逆上したドラゴンワームは全身を収縮させる。

 直後、リュウを丸呑みにしようと大口を開け、天井へ向かってロケットのように飛び上がった。

 リュウは呼応するようにフレイムタンの柄に右手をかけ、全力で天井を蹴る。

 

 密林の覇者と紫紺の閃光と化したリュウが空中で交差。

 ドラゴンワームの大口にリュウが飲み込まれる瀬戸際。

 漆黒の鞘から雷鳴を轟かせつつ、炎雷纏うフレイムタンが真一文字に振り抜かれた。 


「斬り伏せろ、魔法剣・建御雷タケミカヅチ!!」


 紅紫の光炎を放つ魔法剣・建御雷タケミカヅチの刃がドラゴンワームの大口の端に触れると、分厚く硬化したはずの肉を鋭い牙ごとあっさり斬り裂く。


「……うおおおおおおお!!」


 リュウは落下する勢いに合わせ、そのまま凄まじい切れ味を誇る魔法剣・建御雷タケミカヅチを尾の先まで通していく。

 ドラゴンワームは斬り裂かれた個所を炎と電熱で焼き焦がされ、再生する間も与えられず、10メートルはある巨体を一気に両断された。

 竜の名を冠するワームは断末魔の叫び声をだすこともままならず、二枚におろされ絶命。密林に鮮血の雨が降り注ぐ。

 

 リュウはこれまで感じたことのないほどの力が全身に満ちるのを感じ、凄惨な笑みを浮かべつつ、血の雨が止むのを待つのであった。

お読み頂きありがとうございます。

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