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ガチャ57 土竜爪! ダーティーモープ

 攻撃が不発に終わり、不服そうな目つきで睨む二足歩行の土竜モグラ型モンスター。首より上は、尖った両耳と鋭い牙を顎下から突き出しており、鱗のないドラゴンのような顔をしていた。

 土竜型モンスター達は、リュウが落下してきたら串刺しにできるよう、ショベルのような爪を作るため、三本の指を寄せる。

 無遠慮に見つめてくる赤く丸い瞳が不気味な雰囲気を醸し出す。

 

 リュウの背中に冷や汗が流れた。

 

 跳躍が終わり、重力に従って落下が始まる予兆を感じ、リュウはエアステップシューズを起動。

 鑑定をかけつつ、虚空を連続で蹴って土竜型モンスターから離れた床へと降り立った。


―――――――――――――――――――――――

名前 ダーティーモープ

種族 土潜り族

レベル 62

HP 481/481

MP 57/57

筋力 748

魔力 14

耐久 257

敏捷 263

器用 156

幸運 42


スキル

【気配遮断lv1】 

【土堀lv5】

【筋力増強lv3】

【連携lv2】

【土竜爪】


魔法

加護

―――――――――――――――――――――――


(……総合値はCランクのオーガ以上か? それにしても、あの筋力値は驚異的だ。まともに正面から力比べなんてやってられん。速度と手数で圧倒するぞ!)


 土色をしたダーティーモープ達は、リュウが翼も無いのに空中で方向を転換したため、一瞬呆然としてしまう。

 しかし、ワイバーンの幼体が迷い込んできた時には仕留めてしまうほどの腕力と戦闘経験を持つモンスター達は、リュウが地面に着地した頃には正気に戻る。


 リュウを『空を飛ぶ厄介な敵』として認識を改めると、ダーティーモープ達は奇襲をかけるための行動に移った。

 3匹のダーティーモープが土煙を上げながら突撃を開始。後続の2匹は地面へ潜ろうと高速で穴を掘りだした。


 リュウは突撃してくるダーティーモープの裏で、2匹が地面へ潜ろうとしていることに勘付きつつも、Sランクの王国最強の戦士をして『古の賢者クラスの使い手』と称されるほどの天才的な魔力操作を持って、瞬時に魔力を練り上げていく。


 リュウは己の周囲にダーティーモープの耐久を僅かに超える程度の威力を持たせた雷槍を同時に20本生み出した。


 圧縮された20もの稲妻が、槍の中で激しく放電を起こし、洞窟内を昼間のように明るく照らしている。 


 魔力枯渇の一歩手前までMPを使用しての雷槍同時生成は細やかな威力の調整が必要だったこともあり、酷い頭痛がリュウを襲っている。

 リュウはふら付きそうなほどの苦しさを抱えながらも、表情に出す所か敢えて挑発するように口角を上げる。そのまま、突撃の命令を待ち望んでいる雷の化身達へと号令をかけた。


「――貫け、稲妻投槍ブリューナク!!」


 必中の願いを込められた20柱の蒼白い閃光が、洞窟に雷鳴を轟かせながら突き進む。


 弾幕を張るように撃ち出され、雷速で飛翔する稲妻投槍ブリューナクが、前方の空間を制圧していく。


 既に陽動のために突撃を始めていた3匹のダーティーモープは回避しようと思う時間も無く、全身を貫かれる、原型を留めずに肉片と化す。

 

 穴を掘って潜ろうとしていた内の1体は、僅かに地面の上へと出ていた臀部に雷槍が突き刺さり、無様な格好で死に絶えた。

 

 しかし、唯一残ったダーティーモープが地面へ潜ることを止めることはできなかった。

 

 舌打ちをしながら、リュウはまぶたをつむり全神経を集中させ、気配察知を発動させる。


(やつの気配遮断はレベル1。同格相手だ。限界まで、探るしかない!)


 リュウは何処から来ても迎撃できるように、腰を落としつつ気配を探る。

 不気味なまでの静寂が、洞窟に訪れた。

 奇妙な沈黙を打ち破ったのは危険を知らせる警告音。


 その瞬間、ダーティーモープがリュウの左斜め後ろの壁から、勢いよく飛び出してきているのを知覚。

 ダーティーモープは両手の爪を頭上で合わせ、ドリルのように高速で回転しながら宙を飛んでいる。


(近すぎるっ!!)


 至近距離からステータスを大幅に超える速度で突撃してきたダーティーモープ。

 ワイバーンの幼体をも屠る種族最強の一撃『土竜爪どりゅうそう』が、リュウの脇腹を突き抜けようとしていた。


 魔弾の拳銃も、フレイムタンも、雷魔法も間に合わない。直感したリュウは己の拳に全てをかける。


「……っおおおおお!!」


 リュウは魔粒銀糸のバンテージの水属性を解放。両の拳を圧縮した水で覆いつつ、全力で後ろへステップを刻み、スウェーバックを試みる。

 後方へ下がりつつ上体を限界まで後ろへ反らしていこうとしている所へ、ドリルのように回転したダーティーモープが猛烈な速度で突っ込む。

 

「ぐっ!」


 劣竜革のジャケットを削り飛ばし、胸の肉と肋骨の一部が抉られて、激痛が走った。

 夥しい量の血液がリュウの胸から吹き出す。

 

 だが、肉と骨を断たれながらも、致命傷を避けることには成功していた。

 目前にはダーティーモープの無防備な胴体。

 リュウは凄惨な笑みを浮かべ、力を溜めていた左拳を斜め上に打ち出していく。


 「……ぶっ飛べ! 水撃拳アクアインパクト!!」


 圧縮された水を纏う拳が、土色の胴体をくの字に圧し折りながら天へと向かって振りぬかれた。

 

 吹き飛ばす寸前。

 リュウは圧縮された水を前方へと解放。

 拳と胴体の間で高圧水が弾けた。

 

 アッパーカットに加えて爆発的な高圧水の直撃を受け、ダーティーモープは内臓を粉砕されながら猛スピードで天井へぶち当たり、岩壁にめり込んだまま息絶えた。


「下層だろうに、なかなか、手強いやつがいるもん、だ……」


 リュウは地面へと崩れ落ちるように倒れた。

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