ガチャ38 黒髪の美人受付嬢ダリア
愛おしいエリーに見送られながら、リュウはオーガ討伐の報酬を受け取るため冒険者ギルドへと向かって行った。
◇
遠くからでもはっきりと見える大きな看板にいは剣をくわえた獅子が描かれている。
王都の冒険者ギルドの象徴だ。リュウは中へ入り、グラマラスな体形をした黒髪の美人受付嬢を見つけ声をかける。
「ダリア。個室、空いてるか? 話がしたい」
「……リュウ。熱いお誘いは嬉しいけれど、そういうのは仕事が終わってから……」
好ましく思っている青年から、個室で話がしたいと言われて、ダリアは思わず嬉しくなっていた。
しかし、ダリアの淡い期待は叶わない。
「……オーガ討伐の報告だ。ただ、今回はちょっと面倒なことになってな。ダリアとジョセフには話を通しておきたいんだ」
「……なんだ、そういうこと。わかったわ。じゃあ、個室へ案内するわね」
ダリアは残念さを全く隠しもせず、カウンターの奥にある個室へとリュウを通す。
そして、個室に入った瞬間、ダリアは内鍵を閉めてしまう。
「どうしたんだ?」
リュウが振り返ったダリアに声をかけた。
ダリアは険しい顔つきでリュウを睨んでいる。
「……女の匂いがするわ。どういうことかしら?」
鋭い目つきで睨まれ、リュウは困惑していた。
「なんでそんなことをいうのかって顔してるわね。この鈍感男! 私もリュウのこと狙っていたのよ!! 貴方がこの町に来てから一番最初に目をつけたのは私なのに!! リュウだって私のことを好意的に思ってくれてたでしょ? いつ、デートに誘ってくれるかを楽しみにしていたのよ!? それなのに、どういうことかしら!!」
普段の冷静なダリアからは想像できない剣幕で、リュウに詰め寄っていく。
「どこのだれよ! 泥棒猫は!!」
ダリアの余りの怒りっぷりに驚きつつ、リュウはエリーとの馴れ初め話をする羽目になるのだった。
「……そのエリーって子、なかなかやるわね」
恋敵ながら、鈍感なリュウに対して積極的に行動を起こし、見事告白を成功させたエリーには関心していた。ダリアはその妖艶な美貌を持っているが故に、今までは男性から告白をされることばかりであった。
自分からリュウに告白するという発想がなかったダリアはここからどうやって巻き返すかを考えている。
(リュウくらい優秀なベテランの冒険者は他にもいるけど、稼ぎも良いし沢山のお嫁さんを貰っている人もいるわ。
一夫多妻制ってあんまり好きじゃなかったんだけど、リュウがちゃんと私を大切にしてくれるなら、正妻のポジションなんていらないかもしれない。
リュウのさっきの口ぶりだと、清楚で純情な乙女のエリーに操を立てるとか言い出しそうだし、色仕掛けでもなんでもいいから、とにかく今は私に気持ちを向けてもらわなくちゃいけないわね!)
脳内で素早く作戦を立てたダリアは、リュウへと声をかけることにした。
「ねぇ、リュウ。貴方は記憶喪失してるから知らないかもしれないけど、王国では一夫多妻制度っていうものがあるの」
「ん? 一夫多妻制度だって? そんなことが許されるのか?」
「あら、知っていたのね。だったら、話が早いわ。エリーが好きなのはわかったけど、法律で一夫多妻制度が認められていることを前提にして私のことも見て欲しいの……」
ダリアは興味を示すような反応をしたリュウに少し安心しながら話を続ける。
「リュウは将来必ず大成する冒険者。英雄は色を好むっていうし、妻が増えるのも我慢できるわ。もちろん、正妻にしろなんて贅沢もいわないつもり。それだけの価値があるリュウにはあるのよ。
今はエリーが1番好きなのかもしれない。でも、負けるつもりはないし、これから私の魅力を知ってもらって逆転して見せるわ……」
ダリアはその豊かな双丘に手を当て、高鳴る心臓を落ち着かせる。
決心を固めたダリアはリュウの身体に胸を押し付けながら、濡れた唇でキスをした。
「……リュウのことが好き。リュウは、私のことをどう思ってる?」
ダリアは顔を赤らめつつ、妖艶な笑みを湛えている。
(一夫多妻制度があるならいいのか? それでいいのか? 確かにダリアは素敵な女性だ。知性的で美しい。王都にきてから出会って一目ぼれしていた高嶺の花だ。だが、エリーがなんていうか……。
一夫多妻制が認められているなら、許してくれるか? いや、どうだろう……)
考え込んで黙りこくっているリュウを見てダリアは目つきを鋭くさせた。
「もう、私がこんなに熱烈にアピールしているのに、エリーのことを考えていたんでしょう! 許さないんだから……」
ダリアは真っ赤な顔をしながら制服であるブラウスのボタンを上から順番に3つ外し、細い腕で胸を下から押し上げ、深い肌色の谷間をさらに強調させ、リュウへ顔を近づけて囁いた。
「……私をお嫁さんにしてくれたら、何でもいうこときいちゃうわよ。エリーにはまだできない、夜のお世話だってしてあげられるわ」
エリーに誘惑されたのをなんとか耐え忍んだ最後の理性をも焼き切られたリュウは、蠱惑的な色香を放つダリアの唇を貪っていく。
ダリアとリュウは互いの身体に触れ合いながら濃密なキスを交わしつつ3分間を過ごした。
「……激しいのがお好み?」
「自分でも知らなかったけど、案外そうらしいな……」
「うふふ。仕事中は難しいけど、終業後とか、お休みの日なら、いつだって歓迎よ」
ダリアは小悪魔のように微笑みつつ、安堵していた。
あそこまでしておいて、キスすら断られていたら、女として立ち直れないところであった。だが、男好きのする身体に興奮したリュウを見て、初めてこの身体に感謝していた。
豊満なバストを持つせいで、毎日低ランク冒険者達の視線に舐めまわすように見られ、常に強いストレスを感じていた。他の女が聞いたら怒るだろうが、もっと小さい方が良かった思ったことも1度や2度ではない。
「けどな、ダリア。やっぱり俺は……」
リュウはエリーの花が咲いたような微笑みを思いだし、断腸の思いで断ろうとする。
ダリアはリュウが全てを語る前に、濡れた唇で塞いだ。
「……んっ。やっぱり、リュウって一途な所あるわよね? そういうところも素敵よ。でも、私は諦めるつもりはないの。リュウがなんて言ったって、好きな気持ちは止められないもの!」
ダリアは大人の艶やかさを感じさせる笑みを浮かべている。
「まいったな……」
「うふふ。一夫多妻を受け入れるまで、いっぱい誘惑しちゃうから、覚悟なさい?」
身体をしならせ、豊満な胸を強調させながら、ダリアは蠱惑的に笑う。妖しい色気を放つダリアから目を離せないリュウは、これからの関係をどうすべきか考えていた。
(法律で認められているハーレム……。エリーとダリアの二人と付き合えることが可能なら、男としては実現したい夢だな! だが、エリーがどう思うかきちんと聞いておかないとな)
「なぁ、ダリア。俺は既に付き合っているエリーを蔑ろにしたくないんだ。
都合が良すぎるのは、わかってる。
……それでも、必ずエリーと話をしてくるから、返事はそれまで待って欲しい」
「楽しみにしてるわ」
見つめ会う2人。
自然に距離が近づいて、情熱的なキスを交わしていった。
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