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ガチャ22 見送られて修行へ向かう

日刊ランキング再浮上記念投稿!

(……頭が重い)


 気絶して起きるのは未だに慣れないことだと感じつつも何とか体を起こした。

 龍の紋章が刻まれた白銀の蓋を開けると、美しい湖畔を想起させるような蒼い文字盤の上で針が6時を示している。

 そろそろ朝課の鐘が鳴る時間だ。


(たったの3日間だったが、過酷だったな。実践訓練の前だ。一応ステータスの確認をしておくか)


 休日の気怠い朝。3階の角部屋に登り切っていない太陽の光が浅く差しこんでいる。ステータスオープンを唱えた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名 前 リュウ

種 族 人間

ランク F

レベル 24 

HP 238/238

MP 301/301

筋力 138

魔力 88

耐久 128

敏捷 164

器用 89

幸運 EX


スキル

【レアガチャlv1】

【刻印lv1】

【MP増加lv1】

【身体能力強化lv2】

【千里眼lv2】

【鑑定lv8】

【 異世界言語翻訳・通訳】

【剣lv4】

【銃lv1】


魔法

【雷魔法lv1】

【サバイバル魔法lv10】


称号

【ゴブリンキラー】


加護

【ガチャ神の加護】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(よし。MPが300を超えたぞ! あとは準備していくだけか)


 身体が鈍く思うように動けないものの、なんとかベットから降りて立ち上がり、劣竜革のジャケットとボトムを身に着けた。


「リュウさん、おはようございます!」


 ようやく外に出る準備ができたというタイミングで部屋の外から、澄みきった声が聞こえてくる。ドアを開けると、円らな瞳をした美少女が食べ物の詰まったバスケットを持って立っていた。

 あの夜から気まずい関係になるかと思われたが、そんなことにはならなかった。むしろ距離が近づいており、リュウに対するボディタッチが増えている始末である。


「エリー。こんな時間にわざわざくることないって、昨日も言っただろ? 朝と昼を抜いたからって死にはしないんだ」


(朝も昼も食べないつもりなんだ? やっぱり、作ってきて正解だよね! リュウ兄さんは誰かがとめないと無茶しちゃうみたいだし。……リュウ兄さんって呼びたいなぁ)


「今日はサンドイッチを作って来たんですよ。ちゃんとお昼は食べなきゃだめです。冒険者は身体が資本なんですからね!」


 そう注意しながら、細い眉を寄せ、爪先立ちをしてまでリュウの肩を叩く。


(作るのだって大変だろうに。俺なんかのためにエリーが体調を崩さなきゃいいんだが……。だが、女性からの気遣いは受け取っておいた方がいいのかもな。その方が喜ばれるってどっかで聞いた気がするし)


「わかったよ。昨日のサンドイッチも旨かったしな。ちゃんと食べるよ」


「えへへ。口に合ったみたいで良かったです」


 サンドイッチが旨かったという言葉を聞いて頬を上気させながら喜ぶエリー。


(こんな妹がいたら幸せだよな)


 ちょっとしたことで喜んでくれる愛らしい美少女を前にそんなことを考えながら、サンドイッチがはち切れそうなほど詰まったバスケットを受け取った。


「じゃあ、行ってくる」


「怪我しないように気をつけて下さいね? いってらっしゃい!」


 軽く手を振りながらやすらぎ亭を出ていくリュウ。姿が見えなくなるまで手を振り続けたエリーは『いってらっしゃい』の後に『リュウ兄さん』と消え入りそうな声で呟いたのだった。


 ◇◇◇


 朝課の鐘が粛々と一日の始まりを告げ始めた頃、王都を囲む圧倒的な城壁の唯一の出入り口である城門前に2人の男が対面していた。休日の朝ということもあり、城門付近にはその2人と門番しかいないようだ。

 金髪碧眼で騎士風の男は微笑んでいるが、対照的に銀髪長身で冒険者風の男は無表情だが怒りのオーラを漂わせている。


「おはよう。リュウ君。久しぶりだね」


 瞬間、リュウが飛び込みながら右の拳をリィオスの顔面めがけて突き出す。


「おっと、危ないじゃないか」


「チッ。殴れんか」


「「やめとけって」」


 近くで見ていた兵士達は口ではそう止めているが、むしろやれるものならやってくれといったような顔で笑っていた。


「どうしてそんなに怒っているのかな?」


「お前が大切なことを言わずに課題を出すからだ」


「大切なことかい?」


 まったく心当たりがないというような表情で不思議がるリィオス。しかし、その声には何処か真剣さが足りなかった。リュウの怒りのボルテージが加速度的に上がっていく。


「とぼけるな! 魔力を使い切ったら息ができないほど苦しいことまでは言ってないし、素振り用の剣に関しては振れば振るほど重くなっていく魔剣だったじゃないか」


「……なるほど。それで怒っているんだね。いや、言い忘れたんだよ。すまなかったね!」


「……お前。わざとだろ?」


「ハハハ。リュウ君は鋭いね! っと。私に一撃入れるのは大分先になりそうだね」


 殺気も隠さず全力で拳を突き出したが、リィオスの金髪を軽く揺らした程度の成果しか得られず悔しがるリュウ。


「クソッ」


「そんなに焦らなくても私の下で修業すればリュウ君は必ず強くなるさ。そんなに嫌わないでくれると嬉しいな」


「フン。それはお前の心がけ次第だな」


 こんなに敵意を剥き出しにされるとは思っていなかったリィオスは肩を竦めた。振り返れば、弟子に勧誘するときに少々強引だったことが原因かもしれない。しかし、やってしまったことは仕方がない。そう開き直ったリィオスは、追い求めていた理想の弟子を取れたことだけでも運が良かったと思うことにしたのだった。


「気分を切り替えよう。今日は実践訓練初日だね。まずは確認したいんだけど、リュウ君って何か魔法は使えるの?」


「いや。使えないな」


「魔力をどうやって使い切っていたのかな?」


「マジックウェポンやマジックアイテムの中には魔力消費しないと効果が発動しないものもあるだろ? それを利用してなんとか使い切っていた」


「なるほどね。リュウ君の実践訓練のメニューが決まったよ。魔力操作訓練だ。まずは私の屋敷に行こうか。修練のための環境は王都中の何処よりも優れているからね」


 修行するべきことも決まったリュウはリィオスの後に続いて王都の大通りを進み、屋敷へと向かって歩いていった。

お読みいただきありがとうございます。


次回は魔力操作を会得する話になる予定です。

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