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ガチャ13 ゴブリンキングとの闘い

「クソッ。数が多すぎるな」

 

 リュウは目の前に表れるゴブリンを斬り捨てながら進みながら愚痴をこぼす。

意気込んで駆け出したものの、統率の取れたゴブリン達は仲間の死を気にせずに棍棒の一撃を喰らわせようと波のように押し寄せていた。


(……ゴブリンキングまで、遠すぎるな)


「ゴギギ、ゴギャ!!」


「「グギャギャ!」」


 一瞬思考をしている間にもゴブリンキングの出す命令を聞いた周囲のゴブリンが包囲を狭め次々と襲ってくる。

 

(……このまま正面突破で走り抜けるのは難しいな。魔弾の拳銃で弱点の露出している顔や弾丸の通りがよさそうなチェインメイルの上から心臓近くを撃ち抜きたいところだか、ゴブリンどもが邪魔で狙いをつけられないっ)


 辺りにはゴブリンの死体が散乱している。リュウは50体目を斬り殺したところから数えるのを諦めていた。


(ゴブリンの攻撃を食らっても、低い筋力で振るわれる棍棒程度なら10発くらっても問題ないだろう。だが、1度叩かれ出したら反撃の暇なくボロ雑巾にされそうだ。あの王様も黙ってないだろうしな。クソッ何か無いのか!?)


 四方八方から繰り出される棍棒を避け、お返しとばかりに魔法銀製の刃が縦横無尽に振るわれ紅い軌跡を残す。

 

(雷魔法はダメだ。こんな状況だし、そもそも魔法なんて使い方も知らないんだ。残る手札は……エアステップシューズ、か。悠長に考えてる暇もない。いくぞっ!)


 リュウは一旦攻撃を控え、回避と迎撃に専念。限界までゴブリン達を引き寄せる。


 気がつけば200を超えるゴブリンがリュウに襲いかかろうとひしめき合っていた。


 リュウからの攻撃回数が目に見えて減ったことで、好機と勘違いしたゴブリンたちがリュウへ一斉に飛びかかる。


「そうくると信じていたぞ! っおおおおおおおお!!」


 リュウはその場で身体を捻りながらフレイムタンを思いきり水平に振り抜き、右側のゴブリンを斬り裂く。


 勢いを加速させその場で回転。竜巻のような勢いで付近のゴブリンたちをまとめて斬り飛ばす。


 一瞬生まれた空白地帯をトップギアで駆け抜けた。


 王のもとへいかせまいと突っ込んできたゴブリンを踏み台にして思いきり飛び上がり、落下を待つゴブリンを尻目にエアステッテプシューズを起動。


 頂点に到達したところで姿勢を替えて、虚空を思いきり蹴りだし、唖然とするゴブリン達を見下ろしながらゴブリンキングへと一直線に飛ぶ。


(あと2回か、行けるはずだ!!)


 密集したゴブリン達の頭上で速度が落ち始め、リュウの身体が僅かに地面に向かおうとする。

 

 唖然としていたゴブリンたちはやっと攻撃ができると醜い顔を歪めていた。


「まだまだああああっ!!」


 再び足場でもあるかのように何もない空間を蹴り、打ち出されたミサイルのように飛んでいく。 


「ゴギ、ゴギャ!!」


 ゴブリンキングも黙ってはいなかった。


 空を飛んでくるリュウへと棍棒を投げつけるよう配下のゴブリンに叫んで命令。空に向かって膨大な数の棍棒が放り投げられた。


「こんのクソ野郎どもぉおおおおお!」


 冷や汗をかきながら自身に当たりそうなものだけをフレイムタンで迎撃。


(……あっぶねぇぇ!)


 凌ぎきったリュウはフレイムタンを左手に持ち、右手で魔弾の拳銃を抜きゴブリンキングの心臓に銃口を合わせ、トリガーを引く。

 

 魔弾が音速を超えてバレルから撃ち出された。


「ゴギャ!」


 ゴブリンキングには見たこともない武器であったが、飛び道具であると判断して全身を覆うようにタワーシールドを突きだした。


 ライフルリングを通った疑似フルメタルジャケット弾が高速に回転しながら分厚い鋼で作られたタワーシールドに当たり、火花を散らして突き刺さる。


「……ゴガガッ!」


 着弾時の衝撃が思っていたよりも大きく、思わずゴブリンキングが後退る。


(貫けないか。それならっ!)

 

 少しでも動かれたら厄介だと引き金を連続で引いた。


 弾倉を回転させながら間断なく心臓付近を狙い撃つ。


 3発の弾丸が続けてタワーシールドに着弾。ゴブリンキングは続く衝撃に既に歪んでいる顔を更に歪めて何とか堪える。


 「……ゴギギギギギギッ!」


 タワーシールドは何とか魔弾を防ぎきるが着弾部分は衝撃でひしゃげ深々と弾丸が突き刺さっている。

 

 痺れた腕でタワーシールドを構えているゴブリンキング。


 残りの距離、5メートル。

 

(ここからは賭けだ!)


 エアステッテプシューズを起動し、空を蹴って更に加速。

 

 右手の魔弾の拳銃はゴブリンキングに向けたまま、左手を捻り引きフレイムタンに炎を纏わせる。


「……いっけぇえええええええッッ!!」


突っ込んでくるリュウに対し攻撃を加えようと剣を構えようとしたゴブリンキング。

 しかし、鬼気迫る表情でリュウが構えた魔弾の拳銃から放たれる死の気配を本能で感じ、タワーシールドで急所を隠すように構え直す。


 弾倉に残っていた最後の魔弾が至近距離でタワーシールドに当り、ゴブリンキングの体勢を大きく崩したところへ、リュウが真正面から炎を揺らめかせつつ突っ込んでいく。


「貰ったあッ!!」


 衝突する瞬間に火炎を噴く紅刃を突き出す。


 炎剣の高熱を発する鋭い切っ先がタワーシールドを溶かしながら突き進み、持ち主のゴブリンキングごと穿って大きな風穴を開けた。


「ゴギャギャッ……ギッ……」


 目から生気の無くなったゴブリンキングが倒れると同時に王を殺されて統率がとれなくなったゴブリンたちは散り散りに逃げ出す。

 

 追いかける気力など当に使い果たしていたリュウはその場で座り込んだ。


「……何とか勝てたな」


 強敵を何とか退けたリュウは、長いため息をつきながらそんなことを思うのであった。

お読み頂きありがとうございます。


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