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短話「うささま、22時の空から読者が降る」
12月3日、夜の22時。うささまは空を見上げていた。 「なんだか…空がざわざわしてる。」
さきが駆け込んできて、スマホを見せた。 「うささま!この時間だけ、60PV!まるで読者が空から降ってきたみたい!」
さやは耳をぴくりと動かして、 「これは“読者の星雨”ね。作品に光が集まる時間帯って、ほんとにあるんだ…」
かりんは空に向かって手を振りながら、 「いらっしゃいませー!“ひげがゆれるとき”へようこそー!」
うささまはそっと耳を揺らして、 「この時間に来てくれた読者さん、きっと何かを探してたんだね。ぼくたちの物語が、少しでも届いたならうれしいな。」
その夜、作品の空には「22時の星」がひとつ、静かに光った。 そしてうささまたちは、読者の気配にそっとお辞儀をした。




