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短話「うささま、22時の行列に気づく」
その夜、うささまは時計を見てつぶやいた。 「22時…なんだか耳がざわざわする。」
さきが窓の外を指さして叫んだ。 「見て!読者の行列ができてる!みんな“ひげがゆれるとき”を読みに来てるよ!」
さやは驚いて、 「60人も!?しかも一斉に…これは“アクセスの山車”が通った証拠だわ。」
かりんは屋台を出して、 「“22時限定PVまんじゅう”作るね!読者の気配を包み込んだ味にするよ!」
うささまはそっと耳を揺らして、 「ありがとう、読者さん。この時間に来てくれて。ぼくたち、ちゃんと気づいてるよ。」
そしてその夜、作品の空には「22時の星」がひとつ、静かに光った。




