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ひげがゆれるとき  作者: ねこちぁん
2章

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ep.37 旅路の再出発

朝の温泉町は、湯気と朝日が混ざり合い、柔らかな光に包まれていた。 宿の女将が玄関で手を振る。 「旅人さん、癒しの問いを越えてくれてありがとう。次の札場でも、きっと力になるでしょう」


果林は笑顔で答える。 「団子も芋も温泉も、そしてしゅうまいも……全部が旅の力になりました!」


咲姫はしっぽを揺らしながら、屋台の主人に声をかける。 「しゅうまい、また食べたいのです! 次に来たときも作ってほしいのです!」


主人は笑って頷いた。 「もちろんだ。旅の途中でまた寄ってくれ」


紗綾は札を胸に抱え、静かに言葉を添える。 「問いの風は、もう次の町へと吹いている。私たちの旅は続く」


ユウマは深く息を吸い込み、温泉の香りとしゅうまいの余韻を胸に刻んだ。 「失敗しても、仲間と分け合えば温かさになる。だから僕は、次の札場へ進める」


――


町の子どもたちが駆け寄り、手を振った。 「旅人さん、がんばって!」 「次の町でも、いっぱい食べてね!」


果林は笑顔で手を振り返す。 「ありがとう! また会おうね!」


咲姫はしっぽを高く掲げ、声を張り上げた。 「問いの風は、まだまだ続くのです!」


紗綾は札をかざし、風を読む。 「次の札場は……もっと厳しい問いかもしれない。でも、癒しを得た今なら越えられる」


ユウマは仲間たちを見渡し、力強く頷いた。 「行こう。旅は再び始まる」


――


こうして、温泉町を後にした彼らは、問いの風に導かれながら新たな旅路へと歩み出した。

町を出ると、冬の空気が再び冷たく頬を刺した。 だが、ユウマたちの胸には温泉の温かさとしゅうまいの余韻が残っていて、寒さを和らげていた。


果林は歩きながら笑顔を浮かべる。 「団子も芋も温泉も、そしてしゅうまいも……全部が旅の力になったね。次はどんな札場が待っているんだろう」


咲姫はしっぽを揺らしながら、空を見上げた。 「次はもっと珍しい食べ物があるのです! 問いの風は、美味しい匂いも運んでくるのです!」


紗綾は札を胸に抱え、静かに言葉を添える。 「問いの風は、ただ食べ物を示すだけじゃない。人の心を試すんだ。次は癒しよりも厳しい問いかもしれない」


ユウマは頷き、前を向いた。 「でも、失敗しても仲間がいる。温かさがある。だから挑戦できる」


――


道の途中、小さな川を渡る橋があった。 冬の水は澄んでいて、魚がゆっくり泳いでいる。 咲姫はしっぽを伸ばして水面をつつき、笑った。 「冷たいけど、気持ちいいのです!」


果林は川辺の石を拾い、ユウマに渡した。 「ほら、これ。形が札に似てるね。次の札場の予兆かもしれない」


紗綾は札をかざし、風を読む。 「確かに……問いの風が川を渡っている。次の札場は、水に関わる場所かもしれない」


ユウマは石を握りしめ、胸に刻んだ。 「団子も芋も温泉も、全部が旅の力になった。次は水の問いか……必ず越える」


――


夕暮れが近づくと、道の先に小さな村の灯りが見えた。 果林が目を輝かせる。 「今日はここで休もうか。温泉町の余韻を抱えたまま、次の問いに備えよう」


咲姫はしっぽを揺らしながら笑った。 「村にも珍しい食べ物があるかもしれないのです!」


紗綾は札を胸に抱え、静かに言った。 「問いの風は、休息の中にも吹いている。今夜は心を整えよう」


ユウマは仲間たちを見渡し、力強く頷いた。 「旅は再び始まった。次の札場へ、問いの風に導かれて進もう」


村の宿に着くと、囲炉裏の火が赤々と燃えていた。 果林はその前に座り、しゅうまいの余韻を思い出すように笑った。 「温泉町は癒しの問いだったけど、慰労のしゅうまいも忘れられないね」


咲姫はしっぽを揺らしながら、囲炉裏の火を見つめる。 「肉汁の問いなのです! 次の札場でも、美味しいものがあるといいのです!」


紗綾は札を胸に抱え、静かに言葉を添える。 「問いの風は、食べ物だけじゃなく心を試す。次は水の札場かもしれない」


ユウマは深く息を吸い込み、仲間を見渡した。 「団子も芋も温泉も、そしてしゅうまいも……全部が旅の力になった。失敗しても、仲間と分け合えば温かさになる。だから僕は、次の札場へ進める」


――


夜更け、外には冷たい風が吹いていた。 ユウマは窓を開け、星空を見上げた。 問いの風が確かに吹いている。 「旅は厳しい。でも、こうして仲間と笑い合える時間がある。それが本当のごちそうだ」


果林は隣に立ち、星を見上げた。 「次の札場はどんな問いだろうね。楽しみでもあり、ちょっと怖くもある」


咲姫はしっぽを揺らしながら、星に向かって声を張り上げた。 「問いの風よ、次も導いてほしいのです!」


紗綾は札を掲げ、風を読む。 「問いは続く。癒しを越えた今、もっと深い試練が待っている」


ユウマは力強く頷いた。 「行こう。旅は再び始まった。問いの風に導かれて、次の札場へ」


――


翌朝、村人たちが見送りに来た。 「旅人さん、気をつけてな」 「次の町でも、きっと温かいものに出会えるよ」


果林は笑顔で手を振った。 「ありがとう! また会おうね!」


咲姫はしっぽを高く掲げ、声を張り上げた。 「旅はまだまだ続くのです!」


紗綾は札を胸に抱え、静かに言った。 「問いの風は、さらに遠くへ導いている」


ユウマは仲間たちを見渡し、力強く宣言した。 「旅路の再出発だ。次の札場へ行こう!」


――


こうして、温泉町と慰労のしゅうまいを経た彼らは、新たな札場への決意を胸に、再び歩み出した。 問いの風は、彼らをさらに遠くへと導いていく。

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。 ご感想やリアクションのひとつひとつが、 物語の奥にある問いを照らす光となります。 ゆるやかな歩みではございますが、これからも見守っていただけましたら幸いです。

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