閑話 芽吹きの町― 200UA記念回
閑話 200人目の風 ― U記念
町の広場に立つ仲間たちは、一本の樹を見上げていた。
「最初は小さな苗木だったのに、もうこんなに幹が太くなったね」紗綾が札帳を閉じながら微笑む。
咲姫は団子を差し出し、しっぽを揺らす。
「200人目の風なのです! 枝葉が広がっていくのです!」
果林は香りを嗅ぎながら頷いた。
「縁って、葉っぱみたいに一枚一枚重なっていくんだね。こうして形になると未来が見えてくるよ」
悠真は少し真面目な顔で言った。
「この樹はまだまだ成長する。幹を太くして、枝を広げて、もっと大きな町にしていこう」
仲間たちは笑みを交わし、風に揺れる葉音が広場を包んだ。
それは、読者と物語を結びつける小さな証であり、未来への芽吹きでもあった。
――後書き
私は涼羽。森の風を感じながら、この町の成長を見守っている。
200人目の風が重なったとき、苗木だった町が少しずつ大きな樹へと育っていくのを感じた。
町はまだ若い樹。けれど、あなたと物語が交わるたびに枝葉が広がり、幹は強くなる。
どうか、これからも一緒に育ててほしい。
風と縁を重ねながら、この樹は未来へと伸び続けるから――。




