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【夜閑話:果林の団子日記】4
果林の団子日記:椿町編
今日は椿町で「椿団子」を食べました。赤い椿の花びらを模した団子で、見た目がとても華やか。口に入れるとほんのり甘く、寒い冬に心を温めてくれるような味でした。町の人たちはこの団子を「冬を越える美の団子」と呼んでいるそうです。
椿は冬に咲く花で、花言葉は「控えめな美」「気取らない優雅さ」。雪の中でも凛と咲く姿が人々に勇気を与えてきました。団子屋のお姉さんも「この団子を食べると寒さに負けない心になれるよ」と笑っていました。町全体が花と団子に込められた思いを大切にしていて、歩いているだけで心が温かくなるようでした。
……でも、きなに半分食べられちゃいました。せっかく優雅な気持ちになったのに、気づけばきなの胃袋へ。日記には「椿団子、半分はきなの胃袋へ」と書いておこうかな。少し悔しいけど、こうして分け合うのもまた冬を越える力なのかもしれません。




