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ひげがゆれるとき  作者: ねこちぁん
1章

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25/197

閑話:広がる縁と、小さな触れ合い― ドキッ!!

夜の札場は、しんと静まり返っていた。焙じ茶の香りが漂い、灯りが揺れる。風が通り抜けるたびに、紙札がかすかに鳴った。


果林が湯呑を差し出すと、指先がふと触れた。 「……あ」 頬が赤く染まり、果林は小さく笑う。湯気が二人の間を揺らし、ほんの一瞬の沈黙が生まれる。


咲姫は団子を分けながら顔を近づける。 「半分こなのです!」 「近い近い!」悠真が慌ててツッコミを入れる。 咲姫はしっぽをぶんぶん振りながら、団子を口に運んだ。団子の甘さと笑い声が、夜の札場を温める。


紗綾は札帳を渡すとき、袖が重なった。 「風の記録:小さな触れ合い。問い――これも縁の証か」 静かな声に、場の空気が少しだけ揺れる。三人娘のふれあいが重なり、夜の札場に小さな“ドキッ!!”が灯った。


――そのとき、戸口から三つの影が差し込んだ。


灯りを手にした千夜が、静かに歩み寄る。 「……暗いから、これを」 指先が触れた瞬間、千夜は小さく息を呑んだ。灯りの揺れが、その沈黙を際立たせる。


ミナは本を抱えて近づき、悠真に差し出す。 「旅の記録に役立つと思って」 袖が重なり、ほんの一瞬の沈黙。悠真は目を丸くし、ミナは照れたように笑った。


風花は夜風に髪を揺らしながら、そっと隣に立った。 「……風が、少し冷たいね」 髪がふわりと触れ、悠真は思わず息を呑む。風花は微笑み、夜風に身を委ねた。


紗綾は札帳を開き、静かに筆を走らせる。 「風の記録:日付・焦香月二十四日。香り・焙じ茶と夜風。問い――縁は広がるものか。記録者・紗綾」


果林は酒瓶を掲げ、咲姫は団子を振り上げ、千夜・ミナ・風花は互いに視線を交わす。 悠真は静かに言った。 「――こうして仲間が増えるのも、旅の記録だね」


夜の札場に、またひとつ“ドキッ!!”が重なった。 それは小さな触れ合いであり、広がる縁の証でもあった。



テレテレ余韻(三人娘)

咲姫は団子を握りしめながら、顔を真っ赤にした。 「ちょっと近かったのです……」 (///ω///)テレテレ♪


果林は湯呑を胸に抱え、視線を逸らす。 「……指が触れただけなのに、なんでこんなに熱いんだろ」 (〃▽〃)


紗綾は札帳を閉じ、静かに息をついた。 「記録に残すのは簡単だけど……心の揺れは、筆じゃ追いつかないわね」 (//∇//)


三人娘の頬が赤く染まり、札場の夜はさらに甘い余韻に包まれた。



【後書き】 こんばんは、果林です。 今日は札場で、ちょっとした触れ合いが重なりました。指先や袖や髪――ほんの一瞬の揺れなのに、心にはちゃんと残るものですね。


咲姫も「近かったのです」と照れていたし、紗綾も「筆じゃ追いつかない」と言っていました。私も、湯呑を渡すだけで胸が熱くなるなんて思わなかった。


こうして仲間が増えて、縁が広がっていくのも旅の記録の一部。小さなドキッ!!が積み重なって、札帳に風が吹き込んでいくのだと思います。


――もしよかったら、★やリアクションでこの風を残してくれたら嬉しいです。 また次の札場で、みんなと一緒に“ドキッ!!”を探していきましょう。

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