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ひげがゆれるとき  作者: ねこちぁん
3章~【咲姫編】風の記憶、影の願い

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ep.123 試される絆、迫る圧力

森の最深部―― 影の主の黒い風は、さらに強く渦を巻き、 咲姫たちを試すように迫ってきた。


咲姫 「ひゃぁぁぁ……!  なんか……押し返せないのですーー!!」


風音 「……咲姫。  “導く風”をもっと信じろ。  仲間の力を繋ぐのはお前だ」


風花 「咲姫ちゃんの風、まだ揺れてるねぇ。  でも……ちゃんとみんなを包んでる」


果林 「団子も包まれてるよ~」


咲姫 「団子は包まなくていいのですーー!!」


影の主は低く唸り、 黒い風をさらに強めた。


影の主 「……導く風……砕け散れ……」


咲姫 「ひゃぁぁぁ……!  砕けなくていいのですーー!!  でも……がんばるのです……!」


冒険者A 「咲姫ちゃんの風が弱まってる……!」


冒険者B 「このままじゃ……!」


オグマ 「全員、咲姫を支えろ!  彼女の風が試されている!」


紗綾 「……猫は“試練の圧力”と言っています」


咲姫は胸の奥に手を当て、 必死に風を呼び起こした。


……ふわぁぁぁ……


咲姫 「ひゃっ……!?  な、なんか……私の風が……  みんなの声を集めてるのです……!」


風音 「……咲姫。  それが“試練を越える力”だ」


仲間たちの声と力が、 咲姫の風に重なり、 黒い風を押し返した。


まるで―― 絆そのものが試練を乗り越えたかのように。

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