ep.120 導く風、戦いの始まり
森の最深部―― 影の主が黒い風をまとい、咲姫たちの前に立ちはだかった。
咲姫 「ひゃぁぁぁ……! な、なんか……すごく怖いのですーー!!」
風音 「……咲姫。 “導く風”を信じろ。 仲間を支えるのはお前の役目だ」
風花 「咲姫ちゃんの風、みんなを包んでるよ。 だから大丈夫」
果林 「団子も包まれてるよ~」
咲姫 「団子は包まなくていいのですーー!!」
影の主は低く唸り、 黒い風を渦のように広げた。
影の主 「……導く風…… 砕け散れ……」
咲姫 「ひゃぁぁぁ……! 砕けなくていいのですーー!!」
オグマ 「全員、構えろ! 咲姫を中心に陣を組む!」
冒険者A 「了解!」
冒険者B 「後衛、魔法展開!」
紗綾 「……猫は“共闘の時”と言っています」
咲姫は胸の奥に手を当て、 必死に風を呼び起こした。
……ふわぁぁぁ……
咲姫 「ひゃっ……!? な、なんか……私の風が…… みんなを守ってるのです……!」
風音 「……咲姫。 それが“導く風”。 仲間を支え、戦いを導く力だ」
黒い風と咲姫の風がぶつかり合い、 森の最深部は激しい渦に包まれた。
まるで―― 戦いの幕が開いたかのように。




