ep.119 影の主との初対峙
森の最深部―― 黒い風が渦を巻き、ついに姿を現した。
咲姫 「ひゃぁぁぁ……! な、なんか……大きいのですーー!!」
風音 「……“影の主”だ。 ここまで来た以上、避けられない」
風花 「咲姫ちゃんの風、震えてるねぇ。 でも……ちゃんと守ろうとしてる」
果林 「団子も守ろうとしてるよ~」
咲姫 「団子は守らなくていいのですーー!!」
影の主は、 黒い風をまといながら低く唸った。
影の主 「……封じられた風…… 再び眠れ……」
咲姫 「ひゃぁぁぁ……! 眠らなくていいのですーー!!」
光の風(封じられた風)は、 咲姫の前で震えながら応えた。
風の魂 「……咲姫…… 共に……」
咲姫 「ひゃっ……!? い、一緒に戦うのです……?」
風音 「……そうだ。 咲姫の風と“封じられた風”が共鳴すれば、 影の主に対抗できる」
オグマ 「全員、構えろ! 咲姫を守りながら戦うぞ!」
冒険者A 「了解!」
冒険者B 「後衛、魔法準備!」
紗綾 「……猫は“共闘の時”と言っています」
咲姫 「ひゃぁぁぁ……! そんなの聞いてないのですーー!! でも……がんばるのです……!」
咲姫の風と封じられた風が重なり、 仲間たちの力と共鳴した。
……ふわぁぁぁ……
森の最深部に、 新しい風が生まれた。
まるで―― 影の主との戦いを告げる合図のように。




