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ひげがゆれるとき  作者: ねこちぁん
3章~【咲姫編】風の記憶、影の願い

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ep.118 影の主、迫る気配

森の核心―― 静けさを取り戻したかに見えた空気は、 再び重く、冷たく揺れ始めた。


咲姫 「ひゃぁぁぁ……!  なんか……森さんが怖いのです……!」


風音 「……“影の主”の気配が強まってる」


風花 「咲姫ちゃんの風も、怯えてるねぇ」


果林 「団子も怯えてるよ~」


咲姫 「団子は怯えないのですーー!!」


森の奥から、 黒い風が渦を巻き、 まるで呼吸するように広がった。


冒険者A 「な、なんだ……この圧力……!」


冒険者B 「まるで……誰かが近づいてる……!」


紗綾 「……猫は“影の主が目覚める”と言っています」


咲姫 「目覚めなくていいのですーー!!」


光の風(封じられた風)は、 咲姫の前で震えながら言葉を紡いだ。


風の魂 「……来る……  “影の主”……」


咲姫 「ひゃぁぁぁ……!  そんなの聞いてないのですーー!!」


風音 「……咲姫。  ここからが本番だ。  “影の主”と対峙する準備をしろ」


オグマ 「全員、構えろ。  これ以上は退けない」


風花 「咲姫ちゃん、怖いかもしれないけど……  みんな一緒だからねぇ」


果林 「団子も一緒だよ~」


咲姫 「団子は一緒じゃなくていいのですーー!!  でも……がんばるのです……!」


森の奥から―― 黒い風がさらに強まり、 まるで姿を現そうとしていた。


まるで―― “影の主”が、咲姫たちを迎え撃つかのように。

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