ep.118 影の主、迫る気配
森の核心―― 静けさを取り戻したかに見えた空気は、 再び重く、冷たく揺れ始めた。
咲姫 「ひゃぁぁぁ……! なんか……森さんが怖いのです……!」
風音 「……“影の主”の気配が強まってる」
風花 「咲姫ちゃんの風も、怯えてるねぇ」
果林 「団子も怯えてるよ~」
咲姫 「団子は怯えないのですーー!!」
森の奥から、 黒い風が渦を巻き、 まるで呼吸するように広がった。
冒険者A 「な、なんだ……この圧力……!」
冒険者B 「まるで……誰かが近づいてる……!」
紗綾 「……猫は“影の主が目覚める”と言っています」
咲姫 「目覚めなくていいのですーー!!」
光の風(封じられた風)は、 咲姫の前で震えながら言葉を紡いだ。
風の魂 「……来る…… “影の主”……」
咲姫 「ひゃぁぁぁ……! そんなの聞いてないのですーー!!」
風音 「……咲姫。 ここからが本番だ。 “影の主”と対峙する準備をしろ」
オグマ 「全員、構えろ。 これ以上は退けない」
風花 「咲姫ちゃん、怖いかもしれないけど…… みんな一緒だからねぇ」
果林 「団子も一緒だよ~」
咲姫 「団子は一緒じゃなくていいのですーー!! でも……がんばるのです……!」
森の奥から―― 黒い風がさらに強まり、 まるで姿を現そうとしていた。
まるで―― “影の主”が、咲姫たちを迎え撃つかのように。




