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ひげがゆれるとき  作者: ねこちぁん
3章~【咲姫編】風の記憶、影の願い

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ep.117 森を乱すものの影

森の核心―― 咲姫の風が導く力を得たことで、 静けさが戻ったかに見えた。 しかし、その奥底にはまだ異質な気配が残っていた。


咲姫 「ひゃぁぁぁ……!  なんか……まだざわざわしてるのです……!」


風音 「……“外からの力”が完全には退いていない。  ここに根を張っている」


風花 「咲姫ちゃんの風も、ちょっと怯えてるねぇ」


果林 「団子も怯えてるよ~」


咲姫 「団子は怯えないのですーー!!」


森の奥から、 黒い風の残滓がゆらりと揺れた。


冒険者A 「まだ残ってる……!」


冒険者B 「まるで……誰かが操ってるみたいだ……」


紗綾 「……猫は“影の主”と言っています」


咲姫 「影の主って……  また怖いのですーー!!」


光の風(封じられた風)は、 咲姫の前で震えながら言葉を紡いだ。


風の魂 「……外から……来た……  森を……乱す者……  “影の主”……」


咲姫 「ひゃっ……!?  そんなの聞いてないのですーー!!」


風音 「……咲姫。  森の異変は、“影の主”によるものだ」


オグマ 「つまり、敵は森の外から侵入してきた存在……」


風花 「咲姫ちゃん、この子(欠片)も震えてるよ」


影 「……ぴ……」


咲姫 「ひゃぁぁぁ……!  な、なんか……“怖い”って聞こえたのです……!」


風音 「……咲姫。  “封じられた風”は、その影に封じられた。  だから今も眠り続けていた」


咲姫 「眠らなくていいのですーー!!  でも……がんばるのです……!」


森の核心に、 “影の主”の存在が少しずつ輪郭を現し始めた。


まるで―― 次なる試練を告げるかのように。

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