ep.116 余韻、変わる風
森の核心―― 黒い風が退き、静けさが戻った。 しかし、咲姫の風は以前とは違う輝きを放っていた。
咲姫 「ひゃぁぁぁ……! なんか……胸の奥がぽかぽかするのです……!」
風音 「……咲姫の風が変わった。 “導く力”を得たんだ」
風花 「咲姫ちゃんの風、やさしいねぇ。 みんなを包んでる感じがする」
果林 「団子も包まれてるよ~」
咲姫 「団子は包まなくていいのですーー!!」
小さな影は、 咲姫の足元に寄り添い、 安心したように目を閉じた。
影 「……ぴ……」
紗綾 「……猫は“試練を越えた風”と言っています」
オグマ 「確かに。 咲姫の風は、もう守るだけじゃない。 導いている」
冒険者A 「すごい……! 咲姫ちゃんの風が、みんなを支えてる……」
冒険者B 「これなら森の異変も……!」
咲姫 「ひゃぁぁぁ……! そんなの聞いてないのですーー!! でも……ちょっと嬉しいのです……!」
光の風(封じられた風)は、 咲姫の周りを静かに巡り、 まるで祝福するように揺れた。
風の魂 「……咲姫…… “導く者”…… ありがとう……」
咲姫 「ひゃぁぁぁ……! また言われたのですーー!! でも……ありがとうなのです……!」
森の核心に、 新しい風の余韻が広がった。
まるで―― 咲姫の風が仲間たちを導く未来を示しているかのように。




