ep.115 試練の終わり、導く風
森の核心―― 黒い風と咲姫の風のぶつかり合いは、 ついに決着の時を迎えようとしていた。
咲姫 「ひゃぁぁぁ……! まだ押されてるのですーー!!」
風音 「……咲姫。 “導く風”を信じろ。 お前の風はもう変わった」
咲姫 「信じるって…… そんなの怖いのですーー!! でも……みんなを守りたいのです……!」
咲姫の風は、 仲間たちの背を押すように広がり、 黒い風を包み込んだ。
……ふわぁぁぁ……
黒い風 「……退く……」
咲姫 「ひゃっ……!? な、なんか……消えていくのです……!」
風花 「咲姫ちゃんの風が勝ったんだよ。 “導く力”が本物になったんだねぇ」
果林 「団子も勝ったって言ってるよ~」
咲姫 「団子は勝たないのですーー!!」
紗綾 「……猫は“試練は終わった”と言っています」
オグマ 「よくやった、咲姫。 お前の風が、森を守ったんだ」
冒険者A 「すごい……!」
冒険者B 「咲姫ちゃんが……導いた……!」
光の風(封じられた風)は、 咲姫の前で静かに揺れた。
風の魂 「……咲姫…… “導く者”…… ありがとう……」
咲姫 「ひゃぁぁぁ……! そんなの聞いてないのですーー!! でも……ありがとうなのです……!」
森の核心に、 咲姫の風と“封じられた風”の絆が結ばれた。
まるで―― 新しい役割が咲姫に与えられたかのように。




