ep.112 森に走る異変のきざし
森の核心―― 咲姫の風と“封じられた風”が重なり合った瞬間、 静けさの中に小さな揺らぎが走った。
咲姫 「ひゃぁぁぁ……!? な、なんか……森さんが震えてるのです……!」
風音 「……“外からの力”が触れてきた」
風花 「咲姫ちゃんの風も、ちょっと乱れてるねぇ」
果林 「団子の袋も揺れてるよ~」
咲姫 「団子で判断しないでほしいのですーー!!」
そのとき―― 森の奥から、低い唸りのような風が吹いた。
冒険者A 「な、なんだ……今の音……?」
冒険者B 「風じゃない……何か別の……」
紗綾 「……猫は“異質な風”と言っています」
咲姫 「異質って…… また怖いのですーー!!」
光の風(封じられた風)は、 咲姫の前で震えながら言葉を紡いだ。
風の魂 「……外から……来た…… 森を……乱す……」
咲姫 「ひゃっ……!? 外からって……誰なのですーー!!」
風音 「……まだわからない。 でも、“森を壊す力”が確かにある」
オグマ 「つまり、森の異変は内部ではなく、 外部からの侵入によるものか」
風花 「咲姫ちゃん、この子(欠片)も怯えてるよ」
影 「……ぴ……」
咲姫 「ひゃぁぁぁ……! な、なんか……“怖い”って聞こえたのです……!」
風音 「……咲姫。 “封じられた風”は、外から来た存在に封じられた。 その記憶が少しずつ戻ってる」
咲姫 「戻らなくていいのですーー!! でも……がんばるのです……!」
森の核心に、 小さな異変が走った。
まるで―― “外からの力”が、咲姫たちの存在に気づいたかのように。




