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ひげがゆれるとき  作者: ねこちぁん
3章~【咲姫編】風の記憶、影の願い

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ep.84 森の奥、声の主なのです

風の子の案内で、咲姫たちはさらに森の奥へ進んだ。 空気は静かで、風はほとんど動かない。 それなのに、胸の奥だけが“ふわっ”と温かい。


咲姫 「なんか……胸がむずむずするのです……」


風音 「……咲姫の風が反応してる。  “誰かの声”が近い」


咲姫 「声って……誰なのです……?」


風花 「森の奥にいる“誰か”だねぇ。  咲姫ちゃんを呼んでるよ」


咲姫 「呼ばれても困るのですーー!!」


果林 「咲姫、ほんとモテモテだよ~」


咲姫 「モテなくていいのですーー!!」


紗綾 「……猫は“優しい声”と言っています」


オグマ 「敵意はなさそうだが、警戒はしておけ」


風の子 「……もうすこし……  もうすこしで……きこえる……」


リオ 「仲間の声じゃないのか……?」


風音 「……違う。  もっと“古い風”の声」


咲姫 「古いって……どういうことなのです?」


風音 「……森にずっといた風。  祠の影よりも、もっと前から」


咲姫 「そんな風、いるのです……?」


風花 「森ってねぇ、長い時間を生きてるんだよ。  だから“古い風”もいるんだよ」


咲姫 「風って生きてるのです……?」


風音 「……うん。  咲姫の風も、生きてる」


咲姫 「生きてなくていいのですーー!!」


果林 「咲姫の風、おいしいんだもんね~」


咲姫 「おいしいって言わないでほしいのですーー!!」


そのとき―― 森の奥から、かすかな“声”が聞こえた。


??? 「…………きて……」


咲姫 「ひゃっ……! い、今の聞こえたのです……?」


風音 「……うん。  “呼んでる声”」


風の子 「……あのひと……まってる……  あなたの……やさしい風……」


咲姫 「また私なのですーー!!」


オグマ 「進むぞ。  声の主は、咲姫を必要としている」


咲姫 「必要とされても困るのですーー!!」


それでも、 胸の奥の“ふわっ”とした温かさに導かれるように、 咲姫は一歩、森の奥へ踏み出した。

「誰と過ごしたい?」 クリスマス投票の結果は、12/25に物語の中で明かされます。 あなたの選んだ“あの子”との特別な夜が、 そっと灯りますように。

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