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ひげがゆれるとき  作者: ねこちぁん
3章~【咲姫編】風の記憶、影の願い

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ep.82 新しい風の子、なのです

咲姫は、目の前の“風を止めた存在”にそっと手を伸ばした。 淡い光のようなその姿は、影よりもしっかりしていて、 でもどこか弱々しかった。


??? 「……あなたの風……すこし……」


咲姫 「うぅ……また私なのです……  でも、困ってるなら……少しだけなのです……!」


咲姫がそっと手を触れた瞬間、 胸の奥がふわっと温かくなった。


風音 「……咲姫の風が流れてる。  この子、風を取り戻してる」


果林 「わぁ~、光が強くなってるよ~」


紗綾 「……猫も“元気になってきた”と言っています」


風花 「咲姫ちゃんの風、やっぱり優しいねぇ」


咲姫 「優しくても困るのですーー!!」


??? 「……あたたかい……  あなたの風……すき……」


咲姫 「好きって言われても困るのですーー!!」


オグマ 「敵意は完全にないな。  むしろ、助けを求めていたようだ」


光の存在は、咲姫の手から離れると、 ふわっと形を変えた。


淡い光が集まり、 小さな“風の子”の姿になっていく。


風の子 「……ありがとう……  あなたの風……おいしかった……」


咲姫 「おいしいって言わないでほしいのですーー!!」


果林 「咲姫の風、おいしいんだって~」


咲姫 「果林さんまで言わないでほしいのですーー!!」


風音 「……この子、祠の影とは違う。  “森の風”そのもの」


風花 「森が弱ってたから、生まれたんだねぇ。  咲姫ちゃんの風で、ちゃんと形になったよ」


紗綾 「……猫は“この子は案内役だ”と言っています」


リオ 「案内役……?  じゃあ、仲間のところへ……?」


風の子 「……つれていく……  あなたたち……やさしい風……」


咲姫 「つ、連れていくって……どこになのです……?」


風音 「……仲間の風が途切れた場所。  この子なら、道を知ってる」


オグマ 「よし。  風の子の案内に従うぞ」


風の子 「……こっち……」


咲姫 「うぅ……また風に呼ばれてるのです……!」


果林 「咲姫、モテモテだよ~」


咲姫 「モテなくていいのですーー!!」


新しく生まれた風の子が先導し、 咲姫たちは森のさらに奥へと進んでいった。

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