ep.78 翌朝、風の痕跡を探すのです
翌朝。 町の空気はすっきりしていて、昨日よりも風が軽かった。
咲姫 「ふぁぁ……おはようなのです……」
果林 「おはよ~。団子食べる~?」
咲姫 「朝から団子なのです……?」
紗綾 「……猫は“朝団子は普通”と言っています」
風花 「ふふ。みんな元気だねぇ。 今日はリオくんの仲間の手がかりを探すんだよ」
リオは地図を広げながら、 少しだけ緊張した表情で話し始めた。
リオ 「森の風が戻ったおかげで、 仲間が通った“風の痕跡”が少しだけ感じられたんだ」
咲姫 「風の痕跡って……どうやってわかるのです?」
風音 「……風は覚えてる。 “誰が通ったか”“どんな気持ちだったか”」
咲姫 「気持ちまで覚えてるのです!? 風、すごいのです……!」
風花 「咲姫ちゃんも、少しずつわかるようになるよ。 祠で風と仲良くなったからねぇ」
咲姫 「仲良くなりすぎなのです……!」
果林 「咲姫、風にモテモテだよ~」
咲姫 「モテても困るのですーー!」
オグマ 「準備を整えろ。 今日は森の“別の道”を調べる」
紗綾 「……猫は“北の道が怪しい”と言っています」
風音 「……うん。 “急いで通った風”が北に向かってた」
リオ 「北の道……! 仲間が向かった可能性が高い」
咲姫 「じゃあ、今日は北なのです?」
風音 「……うん。 咲姫の風があれば、痕跡がもっとわかる」
咲姫 「また私なのですーー!!」
風花 「大丈夫だよ。 咲姫ちゃんの風は優しいから、森も喜ぶよ」
果林 「団子も持っていく~。 影さん来るかもしれないし~」
咲姫 「来られても困るのです……!」
オグマ 「よし、出発するぞ。 今日は“風の道”を読む日だ」
咲姫 「は、はいなのです……!」
優しい朝の風が、 咲姫たちの背中をそっと押した。
「誰と過ごしたい?」 クリスマス投票の結果は、12/25に物語の中で明かされます。 あなたの選んだ“あの子”との特別な夜が、 そっと灯りますように。




