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ひげがゆれるとき  作者: ねこちぁん
3章~【咲姫編】風の記憶、影の願い

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ep.77 町で休むのです

町に戻ると、いつもの賑やかな声が聞こえてきた。 森の冷たい空気とは違い、ここはあたたかい。


咲姫 「はぁ……やっと帰ってきたのです……」


果林 「団子~! 団子食べる~!」


紗綾 「……猫も“お腹すいた”と言っています」


風花 「みんな、よく頑張ったねぇ。  まずは休もうか」


風音は町の風を感じながら、 ゆっくりと目を閉じた。


風音 「……町の風、落ち着いてる。  森の異変が収まったから」


咲姫 「じゃあ……影さんのおかげなのです?」


風音 「……うん。  影が“風の道”をつないだ」


咲姫 「影さん……また来るのです……?」


風音 「……来る。  “また遊ぶ”って風が言ってる」


咲姫 「遊ぶって何なのですーー!!」


果林 「咲姫、影さんに気に入られてるもんね~」


咲姫 「気に入られても困るのです……!」


オグマ 「とにかく、今日は休め。  明日からリオの仲間の手がかりを探す」


リオ 「……ありがとう。  祠の風が戻ったおかげで、  仲間の気配が少しだけ感じられた」


咲姫 「感じられたのです?」


リオ 「うん。  “急いで森を抜けた風”が残ってた。  生きてる可能性が高い」


紗綾 「……猫も“生きている”と言っています」


風花 「風は嘘つかないからねぇ。  きっと会えるよ」


咲姫は胸に手を当てた。 祠で感じた“ふわっとした温かさ”が、まだ残っている。


咲姫 「……なんか、胸がぽかぽかなのです……」


風音 「……咲姫の風、少し強くなった。  祠の風と仲良くなったから」


咲姫 「強くなっても困るのですーー!!」


果林 「でも、咲姫の風、いい匂いするよ~」


咲姫 「匂いって何なのですーー!!」


風花 「ふふ。  咲姫ちゃん、風に好かれてるねぇ」


オグマ 「休め。  明日は忙しくなる」


咲姫 「は、はいなのです……!」


町の風は優しく、 咲姫たちを包み込むように吹いていた。

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