表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ひげがゆれるとき  作者: ねこちぁん
3章~【咲姫編】風の記憶、影の願い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

136/198

ep.65 影、団子に釣られるのです!

影はふよふよと咲姫の前で止まり、 まるで“観察している”ように揺れていた。


咲姫 「な、なんで私の前で止まるのです……!?  私、そんなにおいしい風してるのです……?」


風音 「……うん。咲姫の風、甘い匂いする」


咲姫 「甘いのです!? 風が甘いって何なのですーー!!」


果林は団子袋を抱えたまま、 影をじーっと見つめる。


果林 「……ねぇ、これ絶対団子好きだよね?」


影 ふよ~~(団子に寄る)


咲姫 「やっぱり団子なのですーー!!」


風花は笑いながら、 「団子に釣られる影って、なんか可愛いねぇ」 と、のんきに言う。


紗綾は猫を抱きしめ、 「……猫も“シャーッ”と言いながら、団子を守ってます」 と、静かに報告。


オグマは剣を構えたまま、 「……団子で釣るな。余計ややこしくなる」


果林 「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」


影、団子を“食べようとする”

影は団子袋にふよ?っと近づき、 まるで匂いを嗅ぐように揺れた。


果林 「だ、団子食べるの……?  影なのに……?」


影 ふよっ(団子に触れる)


団子 「……しゅわっ」


咲姫 「団子が溶けたのですーーー!!?」


風音 「……風に戻った。  団子の“甘い風”だけ吸った」


咲姫 「団子の甘い風って何なのですーー!!」


風花 「影さん、甘党なんだねぇ」


紗綾 「……団子の香りだけ吸われたようです」


果林 「団子の香りだけ吸うなんて……  なんか上品な影だね……?」


オグマ 「……団子を返せ」


果林 「返せないよーー!! 溶けたよーー!!」


咲姫、ちょっとだけ“風”を感じる

影がふよ?っと咲姫の方へ戻ってくる。


咲姫 「ひゃっ……! また来たのです……!」


影は咲姫の周りをくるくる回り、 まるで“風の匂い”を確かめているようだった。


その瞬間―― 咲姫の胸の奥が、 ふわっ と温かくなる。


咲姫 「……あれ……?  なんか……風が……わかるのです……?」


風音が目を丸くする。 「……咲姫、風が“返事してる”」


咲姫 「返事って何なのですーー!!?」


風花は優しく微笑む。 「咲姫ちゃん、風に好かれてるんだよ。  だから影さんも寄ってくるんだねぇ」


果林 「咲姫、人気者だね~~!」


紗綾 「……猫も咲姫さんのこと好きですしね」


オグマ 「……とりあえず、影をどうにかするぞ」


咲姫 「どうにかって言われてもーー!!  団子しか効いてないのですーー!!」


影、突然“ぴたっ”と止まる

影は突然、 咲姫の目の前でぴたっと止まった。


咲姫 「えっ……な、なに……?」


影 ふよ~~(咲姫の風を味わってる)


風音 「……咲姫の風、甘い。  影、気に入ってる」


咲姫 「気に入られても困るのですーー!!」


果林 「咲姫、団子みたいな風してるのかも?」


咲姫 「団子みたいって何なのですーー!!」


風花 「かわいいねぇ、この影」


オグマ 「……かわいくはない」


紗綾 「……でも、敵意はなさそうです」


影 ふよ~~(団子の香りを探す)


果林 「団子はもうないよーー!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ