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ひげがゆれるとき  作者: ねこちぁん
3章~【咲姫編】風の記憶、影の願い

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ep.54 次の町の風

街道を歩く咲姫たちの前に、 少しずつ“人の気配”が増えてきた。


咲姫は鼻をひくひくさせて、 「なんか……おいしい匂いがするのです」 と、目を輝かせる。


果林は団子を抱えながら、 「わかる~! なんか焼いてる匂い~!」 と、同じ方向を向く。


紗綾は猫を抱きしめ、 「……風が変わりました。人の生活の風です」 と、静かに呟いた。


風花は微笑んで、 「町が近いねぇ。風が踊ってるよ」 と、軽やかに言う。


風音は風の流れを読み、 「……人の声。市場の音。あと……鍛冶の火の匂い」 と、淡々と分析する。


オグマは前を歩きながら、 「この先に小さな町がある。補給にはちょうどいい」 と、短く説明した。


咲姫は胸に手を当てて、 「町……初めてなのです」 と、少し緊張した声を漏らす。


風花が優しく背中を押す。 「大丈夫。札場とは違うけど、風は優しいよ」


果林がにこにこしながら、 「団子屋さんあるかな~?」 と、期待に満ちた声を出す。


紗綾は空を見上げ、 「……新しい出会いがありそうです」 と、静かに言った。


風音は短く、 「……風が呼んでる」 とだけ言う。


やがて、 街道の先に 小さな門と、木造の家々 が見えてきた。


人々の声、商人の呼び声、 焼き菓子の甘い匂い、 鍛冶場の金属音。


咲姫は思わず立ち止まって、 「わぁ……すごいのです……!」 と、目を丸くした。


果林は団子を抱えたまま、 「お祭りみたい~!」 と、はしゃぐ。


風花は微笑んで、 「ようこそ。これが“旅の町”だよ」 と、優しく言った。


オグマは町の門を見上げ、 「……まずは宿を探すか」 と、落ち着いた声で言う。


風音は風を読み、 「……この町、悪い風じゃない」 と、静かに呟いた。


咲姫は胸を弾ませながら、 「じゃあ……行くのです!」 と、町へ一歩踏み出した。

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