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カクヨムPV200記念閑話④「うささま、まんまと出てくる(でも威厳は保ちたい)」
「それでさ、うささまって、なんだかんだで一番場を明るくしてくれるよね~」
咲姫が笑いながら、しゅわしゅわ酒をくいっと飲む。
「うん。あの自由さ、ちょっと羨ましいくらい」
果林も、団子をつまみながらうなずいた。
「……あの人がいないと、静かすぎて逆に落ち着かないわ」
紗綾の言葉に、三人がふふっと笑う。
そのころ、祠の中では――
「……うさちぁんの、はなししてる……」
うささまは、祠のすき間から、そっと外をのぞいていた。 ちゃぶ台のまわりで笑い合う三人。 しゅわしゅわの香り、団子の湯気、そして――
「うささま、ほんとにすごいよね。なんだかんだで、みんなの中心だもん」
「……!」
うささまの耳が、ぴくっ。
「……でたい。でも、いま、でたら……なんか、まけたみたい……」
ごそごそ。
「でも、でたい……でも、いま、でたら……」
ごそごそごそ。
「……よしっ」




