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カクヨムPV200記念閑話②「うささま、全社にこもる」
「……うさちぁん、ぜんしゃに、ひきこもります……」
そう言い残して、うささまは神社の本殿の奥、 “誰も入らないはずの”小さな祠の中に、ぴょんっと飛び込んだ。
「えっ、うささま!? そこ、鍵かけちゃったの!?」
「うさちぁん、いま、かみさまだから……しずかに、しゅんかんを、かんじたいの……」
「しゅんかん!? 何の!? ていうか、出てきてよぉ?!」
咲姫が戸を叩いても、うささまは出てこない。 果林が説得しても、団子を差し入れても、無言のまま。
「……これは、あれね」
紗綾がぽつりとつぶやいた。
「“天岩戸”案件だわ」
「えっ、あの神話のやつ!?」
「うん。つまり、外で楽しそうに宴を開いて、うささまが“気になるぅ?!”ってなるのを待つの」
「なるほど……!」
「じゃあ、やるしかないね!“うささま大好き酒盛り”!」




