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今日も情シスは恐怖に慄く  作者: 葉柚
真夏の夜の悪夢

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19/37

 ピピピっ。


 


 ゴローちゃんに添い寝をしていたら、すっかり眠ってしまっていたようだ。


 辺りは真っ暗になっていた。


 そんな私の耳に飛び込んで来たのはスマートフォンのメールの着信音だった。


 しかも、私用のスマートフォンではなく、有事の際のためにと会社から割り当てられている社用スマートフォンだ。


 なんだか嫌な予感がする。


 このままベッドでゴローちゃんと寝ていたい。


 気づかなかったふりをしようか。


 今日はお休みなんだし。


 でも、夏休み中にも限らずメールが飛んでくるなんてなにかがあった証拠だ。


 もしかして、サーバーでもトラブったのだろうか。


 恐る恐るスマートフォンでメールを確認する。


 


「室温異常。」




 メールの件名にはそう書かれていた。


 サーバールーム内には室温管理のためのシステムを導入しており、設定温度以上に室温が上がってしまった場合に通知が来るようになっているのだ。


 


「……ゲッ。」




 時刻は夜の7時。


 夏場の7時はまだ辛うじて明るいとはいえ、今日は天気が悪いのですでに外は真っ暗だ。


 室温異常ということはサーバールーム内のエアコンが止まっているものと推測される。


 停電によるものなのか、故障によるものなのか。


 まずは誰か会社に出社していれば停電しているか否かは判別がつく。


 会社の代表電話番号に電話をかけてみるが誰も電話にでなかった。


 夏休みだけあって、仮に休日出勤していたとしても既にもう帰宅した後なのだろう。


 


「あ、安藤さん。サーバールームの室温が異常値を指していまして……。」




「ああ。麻生さん。ちゃんとにメールを見てくれているんだね。ありがとう。」




「あ、いえ……。」




「申し訳ないけど、会社に行って確認してもらえるかな?もちろん、麻生さんの手に負えないようなら僕も出社するから。」




「ありがとうございます……。」




 安藤さんにサーバールームの室温に異常があることを電話で伝えた。安藤さんは私から電話が行くまでは、室温異常のことは把握していなかったようだ。


 私は泣く泣く会社に行く準備を始めた。


 会社までは電車で一時間。


 このクソ暑い真夏の夜にエアコンが故障していたらと思うと顔が真っ青になってしまう。


 室温管理システムの故障であればどれほどいいことか。


 会社に着くまでの一時間。サーバーが熱暴走で故障しないことを祈るのであった。

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