2
「電話が故障した時のための電話番号をご存知ですか?」
「そんなの知るわけがないでしょう!総務部は管轄外なんだから!!」
「でも、請求書は総務部で処理しているんですよね?管轄は総務部だと思いますが……。」
「そんなわけないでしょう!!機械なんだから情報システム部でしょう!!」
数井さんと話していても平行線で終わりそうだ。
かと言って管轄外の仕事をするわけにもいかないし……。
「吉井さんに確認してみますね。」
吉井さんというのは数井さんの上司で、総務部の部長である。
吉井さんならば在職期間も長いし、電話のことも知っているだろう。
だが……。
「吉井部長が言ったのよ!電話が通じないから対処するようにって!!だから、私はこうして情報システム部に来たのよ。早く対処して頂戴。じゃないと私が怒られるじゃないの!」
吉井さんは数井さんに電話が通じないから対処するように言っただけなんじゃあ。情報システム部関係なくない……?
そうは思うも、これ以上数井さんをヒートアップさせても平行線をたどるような気がする。
私は席を立つ。
「数井さんの言いたいことはわかりました。ですが、情報システム部では電話のことはまったくわかりません。総務部に請求書があるということなので、一度総務部に顔を出させていただきます。」
「ふんっ。わかればいいのよ。わかれば!さっさとしてよね!!」
数井さんはそう言って情報システム部の部屋を足早に出て行った。
一秒たりとも長く情報システム部の部屋にいたくないようだ。
「麻生さん。大丈夫かい?電話は総務部の管轄のはずなんですけどねぇ。数井さんはまだ入社したばかりだから知らないのかな。大丈夫かい?僕がこの件、変わろうか?」
安藤さんはそう言って困ったように首を傾げた。
数井さん入社したばかりだというけれど、私よりも2年は早く入社しているはずだ。
「いいえ。まず吉井さんに話を聞いてみます。もし、それでも平行線をたどるようでしたら、大変申し訳ありませんが安藤さんにサポートいただいてもよろしいでしょうか。」
「ああ。もちろんだよ。無理しないでね。」
「はい。ありがとうございます。総務部に行ってきます。」




