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第23話 湖上の王都と若き王


無事にツイン・エイプを討伐した僕らは、外交使節団と護衛団が待機している地点に戻って合流した。


「ただいまー。いやぁ中々手応えがあった戦闘だったよ」


「にー。試したこともできたし有意義だったおろろん」


そんな僕らを軍の先頭で待っていて、迎え入れてくれたのはビーチェと、リアナさん、ジョルジュ大佐だ。


「おかえりなのじゃ!怪我は!?どこか痛めていないかや?」


「パオも大丈夫なの!?」


「お二人さん…落ち着いてくだされ。どう見てもパオ少将とシリュウ准将は無傷でありやす。いやツイン・エイプと戦闘して、無傷ってのもどうなんですかい?」


「大丈夫だよ。リタさんに報告しないと。アンリ司令官も共に来てもらえます?」



僕はアンリ司令官にそう声を掛けた。


しかしアンリ司令官は、ツイン・エイプの戦闘後から顔を青くして体調が悪そうだ。


大丈夫かな、行軍の疲れが出たのかな?


「あ、ああ。もちろんだ、すぐに行こう」


アンリ司令官とともにリタさんのところに戻る僕ら


「あら?早かったじゃない?偵察だけしてきたのかしら?」


「いやちゃんと狩ってきましたよ…」


「……もう?……ほんと凄いわね。流石は皇国一の武術師と魔術師ね。流石は私の子達」


「パオ少将はそうかもしれませんが、僕より強い武術師なんて全然いるでしょうに」


「なっ…!?……シリュウ准将より強い武術師が、皇国にまだいるのか!?」


僕の発言に驚くアンリ司令官


「えっ?そうですよ。僕なんてまだまだ修行中の身ですから」


「そ、そうか……こ、皇国には素晴らしい武術師が沢山いるのだな」


そう言って俯きがちなるアンリ司令官


なんでそんなに下を向くの?


僕が不思議に思っていると、なぜかリタさん、ビーチェ、パオっちが笑いを堪えている。


アウレリオ准将とリアナさんとジョルジュ大佐は呆れ顔だけども


(シリュウちゃんのおかげで労せず威力外交できているわ。この子以上の武術師なんてそうはいるはずないのに、シリュウちゃんが無垢で謙虚だからアンリ司令官信じちゃってるわ!)


(シリュウより強い者なんておらぬて。シリュウが1番自分のことを過小評価しておるからのう。事情を知らぬアンリ司令官は気の毒じゃのう!)


(ぷっぷっぷ!シリュウっちの冗談は面白いぬん!)


「アンリ司令官?貸一つと思ったけど、シリュウちゃんの武を見せてあげたんだから貸し三つにしとくわ」


恩を売ってから値上げするとはとんだチンピラである。


この人ほんとに皇族か?


「なっ!?……いえ、私には判断つきかねますので、我が主に伝えておきます」


「しっかり伝えておいてね?あなた達の席に着く用意はあるわ」


「……!?……そういうことでしたか…確かに伝えましょうぞ」


「よろしくね。では行きましょうか。この調子なら予定通り着きそうね」


リタさんの指示があり、再び行軍を開始する外交使節団と護衛団



目的の王都はもうそこらしい。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ツイン・エイプを討伐した川を越えて、小一時間ほど行軍すると、ついに王都『ルクスル』が肉眼で見えてきた。


王都は巨大な湖の上に立っているようで、4本の大きな橋が陸地と王都を繋いでいる。


王都は中央に近づくほど高くなっていて、階層状の街並みを形成している。


王都はさながら、湖に立つ一つの巨大な城のようだった。


「こ、これが王都ルクスル!凄い!湖の上にある街なんて初めて見た!」


「噂には聞いておったが、これはまた美しい都じゃのう。セイトとはまた違った荘厳さを感じるのじゃ」


「にー?あんなに水に囲まれて雨が降ったら沈まないろん?」


「た、確かに…でも周りが湖なら防衛はかなりしやすいわ。あの橋からでしか攻めれないもの…鉄壁の王都ね…」


それぞれ意見を言い合うシリュウ派の面々


それを微笑ましそうに見るアンリ司令官とリタさん


「どんな剛なものかと思えば、年相応のことをおっしゃられる。いやはや私もどう報告すればよいか…」


「ありのままでいいんじゃない?この子らの潜在能力なんて誰にも測れないわ」


「確かにおっしゃる通り。では王都へ案内しましょう。王都に入ってから王宮までの道は複雑となりますので、お気をつけください」


そして外交使節団と護衛団は王都ルクスルに入った。


王都に入ると、街は陸路だけでなく、水路も発達しているようだった。


至る所に水路があり、それを人々は水の魔術を使いながら小舟で移動している。


大きな水車のようなものもあり、それに乗って上の階層へ移動していく小舟もあった。


まさに水の都というべき街だ。


僕たち護衛団は大きな通りの中心を行進し、周りの人達の注目を集めながらこの街の最上階層にある王宮を目指した。



王宮は、遠目に見えていた城のように見えた部分であり、皇宮と比べて縦に長い構造をしていた。


そして僕らは王宮の入り口にある大きな庭園に通された。


そしてその庭園には大勢の近衛兵と思われる兵士たちと荘厳な身なりをしている明らかにくらいの高そうな人が何人かいた。


身なりのいい方は中央に赤いマントを羽織った赤い髪の若い男性と紅のドレスを纏う緑髪の若き貴婦人、そして腰を折り杖をついている白髪のお婆さんの3人だ。


この国の貴族かな?


リタさんが馬車から降りて、見なりの良い方達と相対する、


「あらあら、まさか王様自らお出迎えなんてね。そんなに私達に会いたかったのかしら?」


えっ


まさかあの赤いマントを羽織った男性?


見たところかなり若くて、パオっちやリアナさんと同じ年に見える。


「我が国としましては、この使節団をそれほど重要だと考えているからですよ」


そう言って爽やかにほほ笑む男性


「遠いところまでよくお越しくださいました。アルジェント王、シャルル・アルジェント・ボナパルトです。ようこそアルジェント王国へ」



ファビオ「……ぜぇ……ぜぇ……」


レア「……何しているのですか…」


ファビオ「娘たちの鬼ごっこに付き合わされて…あいつら体力無限か?」


「パパどこー!?」「にがすなー!!」


ファビオ「……いかん…!…逃げねば…!」


レア「あなた本当に皇国最強の剣士ですか?」


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