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第17話 皇都事変⑦~思わぬ再会


列歴98年 7月7日  2区(華族区) 皇華広場 


リタさんが皇宮から出ると聞いて、僕とビーチェ、パオっちとリアナさんは事前にリタさんから聞かされていた合流地点にて待機していた。


日中に皇宮を出ると聞いていたが、皇宮側の手続きの関係で出るのが遅れたらしく、僕達はもう半日以上もこの広場で待機している。


「ふわぁ~……流石に待つだけは退屈だねぇ」


僕が欠伸をしながら言うと、ビーチェは苦笑いしながら答えた。


「う~む…あの面子を前にそんなに緊張を緩められるとは…さすがのシリュウじゃのう」


そう言ってビーチェは、特別の()()()()()()()()を向いて言う。


ここにいるのは僕達4人だけではなく、御来賓の御三方とその御三方を呼んできたサンディ・ネスターロ中将の合計8人がここにいる。


「いやまぁ…驚いたけど…知らない仲じゃないしね?」


「それはそうじゃろうが…にしてもあの3人をこの場に連れてくるとはサンディ中将も策士じゃのう」


「それはほんとにそう」


サンディ中将は、リタさんが皇宮から出る経緯と一連の作戦をリタさんから聞いた後に、合流地点にあの3人を呼ぶことを提案した。


その方が()()()()()()んじゃないかと。


今は僕とビーチェがリタさんが来るであろう通りの方を監視していて、パオっちとリアナさんが休憩中で、少し外れたところで夕食を取っている。


御三方は用意された椅子にドカッと座り、微動だにせずリタさんが来るであろう通りの方を見つめている。


これから起こるであろうことやこれからの皇都の未来を思案しているのだろうか。


その表情は真剣なそのものだ。


サンディ中将は、「何かあったら起こしてくれ」と言って、広場の中心にある噴水の淵に、新聞を顔に被せて寝転んでいる。


自由すぎる……


そんなこんなで日も暮れ、この広場には僕達以外に人はいない。


ただ街灯と月の光だけが照らす皇都の暗がりの中で、僕はリタさんが来るであろう通りの先を見つめていた。


遠くから剣戟や破裂音が聞こえており、戦闘をしていることが遠くからでも伺えるが、傍についているのはあのヒルデガルドだから何の心配もない。


僕達は言われたとおり、皇区に立ち入らず、この合流地点で待つばかりだ。


ダダダダダダダダダ!


そうしていると、リタさんが来るであろう通りから人が一人駆けてきた。


それもものすごい速度だ。


「誰か来ましたよ!」


僕がそう声を掛けると、椅子に座っていた御三方が反応を示し、サンディ中将が起きる。


そしてその人影は僕達の目の前にすぐに表れた。



ザザー!


物凄い速度で駆けていたが、僕達の目の前に滑るようにして止まるこの黒い人…いや少年?


全身の装備が全て黒く、まるで闇を纏っているような少年だ。


「君は…?」


「向こうの通りから来たようじゃな?ただ者ではあるまい?」


僕とビーチェはその黒い少年に尋ねる。


その少年の顔は、フードに覆われていて良く見えない。


「……シリュウ……ドラゴスピア…准将…?」


黒い少年はおずおずと僕に尋ねた。


「そうだよ。僕がシリュウ・ドラゴスピアだ」


ガバッ!


すると黒い少年は…震えるようにして、僕に抱き着いてきた!


「えっ!?」


「なんぞ!?」


殺気がなかったから避けなかったが、唐突な抱擁に戸惑いを隠しきれない僕ら



すると…少年はフードを取って、その顔を僕に見せた。


「……僕のこと……覚えている…?」


見たところ僕よりいくつか年下の少年のようだが…黒い髪…眠そうな目…って!?


「キ、キオンじゃないか!?ど、どうしてこんなところに!?」


僕はその顔の主を思い出して、驚いた!


「やっぱり…シリュウ・ドラゴスピアって…シリュウ兄ちゃんだったんだね……名字が違うから別人かもしれないと思ったけど…」


キオンは涙目で言う。


「いやいや…本当に驚いた……どうしてこんなところに?」


「その話もしたいけど…後でしよう…今はリータ殿下からの伝令を受けて来たんだ……」


「え?」


「リータ殿下一行は今ダレッシオ侯爵家の私兵に襲撃されている。増援を要請しているから、早く駆けつけよう」


「「!!??」」


皇王派はついに私兵を出すまでに至ったか!


これはいよいよ政争の枠を超えた争いになってくる。


それを聞いたサンディ中将がいつの間にか僕らの側にいて、キオンに尋ねる。


「相手戦力は?」


「…ダレッシオ侯爵家はおおよそ20人程……ただ増援を呼んだからそこからは未知数……事前のこちらの諜報では皇区周辺には100近い華族の私兵がいる…」


「最低でも120か……華族区からも増援を呼び寄せられたら300は来るかもな…」


サンディ中将がキオンからの情報を咀嚼している。


「とりあえずシリュウ准将とパオ准将で現場に行こうか。俺も行く。ベアトリーチェとリアナはここで待機して連絡役を請け負ってくれ」


「はい!」


「了解です」


僕とビーチェはサンディ中将の指示を請け負って、今にも駆けだそうとするが……




それを制する手があった。




「え?なんでしょう…?」





その手は待機していた御三方のうちの1人の手で…他の2人も隣に並んでいる。







そして………









「え?ここは任せろ?増援には3人が行かれるのです?」








ビーチェ「キオンとはどういう関係じゃ?」


シリュウ「トレスリーに住んでいた時に近所に住んでいた子だよ」

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