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【閑話】6月26日付 帝都新聞 号外 『ヴィルヘルム軍撤退せり!』

5章開始です。政争メインの話しになります。よろしくお願いいたします。


【逆賊のヴィルヘルム軍、帝都の巨壁を越えられず無様な撤退!】


やはり正義は勝つということが、このシュバルツスタットの地にて白日の下に晒された。

10日前の6月16日からカール皇帝の第二皇子であるヴィルヘルム・ブライトナー率いる賊軍総勢20万がこの帝都の地を包囲せしめんとしたが、帝都防衛軍は初日から『皇都の守護神』ゲルト・ミュラー将軍と『太陽の剣士』カチヤ・シュバインシュタイガー将軍の奮闘で賊軍を圧倒していた。


防衛軍の軍総司令である『神算の豪傑』フリッツ・バルター将軍は、賊軍の全軍に揃うのに日数がかかることを事前の諜報活動で突き止め、賊軍全軍が揃う前に各個撃破する作戦を展開した。


賊軍にもフィリップ・ラームやミロ・クローゼなどの帝士十傑が参戦していたが、フィリップ・ラームはゲルト・ミュラー将軍が撃退し、ミロ・クローゼもカチヤ・シュバインシュタイガー将軍との一騎討ちで負傷し、尻尾を撒いて自陣に帰っていった。


さらにズィーベン州とドライ州からの援軍よりも早く、かの『ラインハルト公』が6万の兵を率いて帝都に参陣した。


6月20日からは賊軍にも帝士十傑のロロ・ホウセンが参戦し、賊軍も全軍が揃ったが、帝都を陥落せしめる程の余力はすでになく、数日の膠着状態を経て、6月25日の昼に賊軍は全軍撤退と相成った。


この6月16日を皮切りにヴィルヘルム・ブライトナーが行った一連の武力行使(帝都戦役)は、帝国法に違反するどころか、リアビティ皇国の外交使節団が帝都に滞在中に襲撃したことにより、国際的な非難は免れない形容しがたい愚行である。


このことを契機に偉大なるカール・シュバルツ・ラインハルト皇帝陛下はヴィルヘルムの皇位継承権の剥奪を宣言し、ヴィルヘルムが保持する帝国におけるあらゆる権利を凍結する法律を即日公布・施行した。

しかしヴィルヘルムは帝国の西方ツヴァイ州・フィーア州・ゼックス州を実行支配しており、皇帝陛下の法的措置も形式的なものにすぎなかった。


これからの帝国は国を分かつ内乱の時期に入ると思われるが、帝都の民としては、今はただ危機は去ったことを喜びたい。



【ハインリヒ皇子の皇位継承権も剥奪か?】

ハインリヒ皇子はこの帝都戦役にて、指導者として相応しくない振る舞いをしたため皇帝陛下より次期皇帝としての立場を剥奪されたようだ。

複数の軍関係者によると、ヴィルヘルム軍が帝都に迫ったことを聞き及んだハインリヒ皇子は自身の側近と共に帝都を放棄し、ズィーベンに撤退することを強硬に主張した。

この軟弱者とも思われる対応にビスマルク宰相初め、軍属の者はハインリヒ皇子の決断を咎め、帝都にて籠城する策を献策した。

あまつさえゲルト・ミュラー将軍の容姿を謗る発言もあり、フリッツ・バルター将軍はその発言に怒りのあまり会議室の机を素手で木っ端微塵にしたほどだ。

このような振る舞いを皇帝陛下が危惧し、帝国軍大総督及び帝国議会議長の地位をハインリヒ皇子から剥奪したとのこと。

皇位継承権の剥奪までは確認されていないが、実質的な後継者争いからは失墜したと見られる。


【皇国使節団無事帰国!十傑を返り討ちに!】

リアビティ皇国の外交省は6月25日、帝都に訪問していた外交使節団の全員が無事帰国したと発表した。

ヴィルヘルム軍が帝都に迫ったその日にまさに帝都に滞在しており、一団は陸路で皇国の前線都市ノースガルドへ、もう一団は艦隊を確保するためハンブルグへ向かったが、その両方ともが無事にリアビティ皇国に帰国した。


ノースガルドへ向かう一団では、なんとヴィルヘルムが直々に軍を率いて、更にロロ・ホウセンまでも従えて皇国使節団を襲撃したが、ラインハルト家嫡男『錦馬公』レオンハルト・ラインハルトの援軍や皇国軍の援軍もあり、ラインハルツ大橋にて、ヴィルヘルム軍を撃退したのだ。

更に驚くべきは、皇国の若き将軍シリュウ・ドラゴスピア准将が、ロロ・ホウセンとの一騎討ちを行い、重傷を負ったものの、援軍が来るまでたった1人で数千のヴィルヘルム軍を抑えていたのだ。

更にフリッツ・バルター将軍によると、シリュウ・ドラゴスピア准将はヴィルヘルムに忠誠を誓う十傑エゴン・レヴァンドフスキからの襲撃を返り討ちにし、その身柄を拘束したという。

皇国のわずか16歳であるシリュウ・ドラゴスピア准将が帝国の十傑を2人と戦い、うち1人には完全勝利しているという事実は、帝国民として驚きを禁じ得ない。

だが、彼の武のおかげで帝国と皇国に決定的な溝が生まれることがなくなったのだ。

一帝国民として、シリュウ・ドラゴスピア准将の武に最大限の敬意と感謝を表したい。


さらにハンブルグに向かった一団も驚異的な戦果を挙げている。

ハンブルグが王国の貴族タレイラン公爵率いる船団に襲撃されていたが、王国の貴族ポアンカレ公爵率いる船団がタレイラン公爵の船団を急襲し、ハンブルグの街を救った。

さらに皇国軍を追撃に来た十傑ロタ・マテウス率いる一軍を皇国と王国のたった5人の魔術師で殲滅したのだ。

ロタ・マテウスは皇国のパオ・マルディーニ少将との一騎討ちの末、討ち死にし、一軍は壊滅的な被害を被った。

その後パオ・マルディーニ率いる皇国の一団はポアンカレ家の船団とともに無事にハンブルグを出航し、皇国に帰国したのだ。


【来月神国で平和国際会議が開催。皇国・王国の驚異的な戦力を踏まえて帝国の方針は?】

来月の7月7日より、ヘスティア神国にて第四次烈国大戦の終焉時に締結された休戦条約の更新についての会議が開催される。

我が帝国からはハインリヒ皇子が出席予定であったが、予定を変更し、カール皇帝陛下とレギウス第三皇子が出席される模様だ。

帝国の現在の皇位継承者は、現状では実質的にはレギウス皇子しかいないため、このような人選になったと思われる。


王国からは即位間もないシャルル王が、皇国からはフェルディナンド皇王自らが出席なされ、10年振りに三国の王が一同に会する機会となる。

この会議の行方は今後のこの烈国大陸の行く末を大きく左右する非常に重要な会議となろう。

帝国の方針は、ヴィルヘルムの内乱を鎮圧することが最優先のため、各国と友好的に接し、何とか休戦条約の延長にこぎつけたいところだ。

しかし王国には優秀な魔術師が多く、皇国も近年は国を引っ張る若き烈国士が台頭してきており、戦力的に帝国が優位な状況は昔のことで、休戦交渉を主導できるかは不透明な状況だ。


特に皇国は、近年皇国内で『帝国侵攻論』が盛り上がっており、更にシリュウ・ドラゴスピア准将という十傑と並ぶ武を持つ武術師やパオ・マルディーニ少将という魔術大国の王国でさえ一目置く魔術師がおり、内乱中の帝国でこの烈国士達と渡り合えるのか不安が付きまとう。

帝国に来訪していたリータ皇妹殿下は、帝国との末永い平和友好を願っていたため、ぜひともリータ殿下には皇国内を抑えて欲しいものだ。


【帝士十傑大量解任!?後任は?】

ヴィルヘルムの謀反により、ヴィルヘルムに忠誠を誓う帝士十傑の称号が剥奪される見込みだ。

帝国軍広報によると「帝士十傑は皇帝陛下に忠誠を誓うのが大前提。陛下に刃を向けた時点でその資格はないのは当然のこと」と話しており、ヴィルヘルム軍の第1位ロロ・ホウセン、第4位フィリップ・ラーム、第6位ミロ・クローゼ、第8位エゴン・レヴァンドフスキ、第9位ヒルデガルド・ラームの解任が濃厚だ。(ロタ・マテウスは死亡により称号剥奪済み)


そうなると現任のゲルト・ミュラー将軍、フリッツ・バルター将軍、カチヤ・シュバインシュタイガー将軍、メスティ・エジル将軍しか残らないため、新たに6人の選出が必要だ。

このことについて、帝国軍の威信失墜に繋がるのではと帝国軍に問い合わせたが、帝国軍広報からは「問題ない。以前より打診はしているが各自の都合により辞退されていることもある。以前に打診をしていた者に帝国の現状を鑑みて十傑の称号を受けてもらえるように説得するつもりだ。さらに皇帝陛下自身にも当てがあるそうだ」と回答を得た。

新たな十傑については近日中に公表される見込み。









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