第163話 女装癖疑惑
学園祭の準備も着々と進み我がクラスの出し物『男女逆転コンテスト』の衣装も次々と仕上がってきている。
今日は部活を休んでリハーサル件衣装合わせの日だ。
僕の女装に対する不安は周知の通りだ。
だが対策は練ってきた。
結衣さんから託されたウィッグと化粧品と画像で、ルナに被らないようにメイクアップすれば問題解決だ。
僕のメイクを担当してくれるのは五十嵐芽衣さん。小顔が強調される内はねショートボブで、一見眠そうに見えるぐらいのぱっちり二重が可愛らしい子だ。
「五十嵐さん」
「はい!」
「できたら僕のメイク、このウィッグと化粧品使ってこんな感じに仕上げて欲しいんだ」
五十嵐さんにウィッグと化粧品を手渡し、画像を見せた。
五十嵐さんがフリーズした。
もしかして……引かれた?
と思ったら突然恍惚の表情をうかべ「可愛い!」
とりあえず引かれてない?
「これ、音無?」
「うん」
「ヤバい! めっちゃ可愛い!」
褒められているのに素直に喜べない、なんとも言えない気持ちだ。
「なになに、どうしたの?」
五十嵐さんのめっちゃ可愛いにつられて、他の女子たちも集まってきた。
「『ヤバっ! マジ可愛い!』」
僕の女装は他の女子たちにも好評で、ひと騒動おこってしまった。
そして1人の冷静な女子の発言で、雲行きが怪しくなった。
「ねえ、音無……なんであんた女装の画像なんかもってるの?」
「そう言えばそうよね」
「えっ! もしかして普段から女装してる?」
「あ、そういえば音無にウィッグと化粧品渡されたよ」
『『えぇ————————っ!』』
五十嵐さんのひと言で女子たちが若干引き気味になった。
そして1人の冷静な女子の発言で、更に雲行きが怪しくなった。
「ねえ凛! 音無って普段から女装してるの?」
「ん、あ——っ結構してるよ」
凛……なんてことを……。
完全にクラスメイトにドン引きされた。
「そうなんだ、音無って女装趣味なんだね。気持ちは分かるよ? 私が音無でもこんなに可愛くなるんなら癖になっちゃいそうだもん」
あっけらかんと僕の女装を受け入れた五十嵐さん。
でも、僕の気持ちは分かっていない。
僕は女装趣味じゃない。
結衣さんから託された秘策で、黒歴史の回避を試みた僕だったが……逆に黒歴史を刻む結果となってしまった。
もう、帰りたい。
新たな黒歴史の幕開け。
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