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お昼寝したいのに主人公が爆散したからできません ~モブだけでも世界は救えるのか~  作者: サイリウム


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71:出撃します


「あぎゃぁぁあああ!!! なんじゃこれ! どうなってるんじゃ! い、意味わからん! はぁぁ????? おまおまおま!!! お前! 頭おかしいのか!? なんでこんなもん作ってんのじゃ!? あぁぁぁああああ!!!!! んなもう儂一人でどうにかなるわけないじゃろッ! 神社! 神社じゃ! 今いる巫女全員連れてくるのじゃ! も、もう蝕虫が外界にまで影響を及ぼしとる! 早くするのじゃぁぁ!!!!!」


「と言うと思いまして、既にボブバイク隊に連れてきてもらいました。どうですモミジちゃん、察しが良いでしょう?」


「だったらこんなもん生み出すな愚か者ぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!!!!」



凄い奇声を上げながら、バグと格闘するモミジちゃん。


半ば拉致みたいになってしまった連れて来た巫女さんたちも、暴れ回るモミジちゃんと王女のバグり具合にお顔が土気色。死にもの狂いで修正を始めて言ってくれています。いやはや、とりあえずこれで何とかなりそうですねぇ。……え? 私ですか? 私は今チロさんからお仕置きということで、『獄炎』で全身を焼かれています。とろけるカーチェです。



「……今更だけど、アンタ痛覚あるのよね?」


「ありますよ? 今クソ痛いですしクソ熱いです。」


「焼いてる私も大概だとは思うけど、何で平然としてるのよ……!?」



何でって……、まぁ慣れたとしか。


私もレベリングによって強化されていますが、チロさんも同様に強化されています。倍率が極めて高い『獄炎』を既に自身の手足のように扱えているチロさんからすれば、邪神を焼き溶かすのも他愛ないレベル。そんな火力で焼かれたらクソ痛いのは確かなのですが……。これまで結構やられてますからね。私に遠慮しなくていいとチロさんが理解してからは結構な頻度です。これだけやられれば適応するというもの。


なおちなみにですが、現在バグの修正を受けている王女ことソフィは、私から静止の命令を受けているのでその場から一歩も動くことが出来ていません。私を燃やすチロさんのことを憤怒を超えた何かの表情で睨み殺そうとしていますが……。私の振り回しに堪えて来たのが彼女です。視線程度でダメージなど受けるはずがありません。ほんと、頼もしくなりました!



「最近思うんだけど、コイツ元からこんなのだったのかしら? 精神も肉体も日に日にバケモノになって行ってる気がする。……いや私もか、気を引き締めておかないとカーチェにしてること他の人にしそうで怖いわ。」


「そう思ってる間は大丈夫なんじゃないですか? 自覚してるってことで。」


「ぐ、愚民めッ! 主様の命が無ければ今すぐ引き裂いてやるのにッ!」


「あー。それでソフィ? この前お願いしてた辺境伯周りの報告、お願いできますか?」



色々あってまだちゃんと聞けて無かったですし。


そう問いかければさっきまでのブチ切れ状態はどこへその、猫なで声を出しながら嬉しそうに声を返してくれます。……何がどうなって今の状態になったのかは解りませんが、若干感情の出力が大きくなって、顔色が良くなっている気がしますね? 分類的には未だアンデッドだとは思うんですけど、人だったときの性質も持っている気がします。さっきの笑顔なんて、原作で主人公に見せたものとほぼ同一でしたし。


ま、私としては前衛を張れるステータスを手に入れていることだけで半ば成功のようなものなのです。バグ辺りは全部モミジちゃんに任せて、報告に耳を傾けることにしましょう。



「ではご報告させて頂きます。まず主様が仰る『辺境伯』にあたる人物ですが……、いまだ代替わりを経ていないようで、現在の身分は『辺境伯の子息』のようです。職位すら持たぬ小物のようですね。ただその力量は周囲と隔絶しており、現時点でも以前の私と同等レベルでございました。」


「……あれ、思ったより弱いわね。」



ですね。チロさんの言う通り、“以前の王女”と同等レベルであるならば、その強さは全く脅威ではありません。前世の御記憶が正しければ、辺境伯の持つスキルは生まれながらのものでしたので、ある程度の強者であることは確かなのでしょうが……。今の私達からすれば、雑魚も良い所です。


しかし相手はDLCのボス。細心の注意を払う必要があるでしょう。何せ『偽装』されている可能性もあるのですから。



「そのまま暫く監視をボブバイクたちに命じていたのですが、その際にいささか気に成るものを発見いたしました。どうやら辺境伯は代々、現在王国に広がってしまっている邪神への信仰。それとはまた別の神を祀っていたようなのです。神は主様しかいないというのに、愚かな者ばかりです。」


「……とりあえず続けてください。」


「はッ! してその辺境伯はどうやら『自分たちが信仰する神』に興味があるようでして、残された書物を読み解きながら独自に研究を行っていることが発覚致しました。ボブを潜入し一部資料を書き写することに成功したのですが、どうやらこの世界を生み出した神をどうにか利用できないかとしている様です。」



ふーむ、なるほど。


邪神討伐の際に少し捕捉しましたが、この世界を生み出したのはあの邪神ではなく、また別の神です。私が知る設定資料集は発売時期のせいで辺境伯周りの情報はあまり乗っていなかったのですが……。この世界を作り上げた真なる神と、その神から管理を任された娘の神を信仰する者たちがいるというのは、知っていました。


そして辺境伯がそんな神たちの力を利用したのであれば……。邪神よりも強力で、バグすらも効かないという『ゲーム的なシステム』に『シナリオ上の理由づけ』が合致します。偽の情報を掴まされた、という可能性は低そうですね。……うん? ちょっと待ってください? ということは。



「まだ辺境伯は、あの無法みたいな強さを手に入れていない?」


「はっ。あの者の研究資料を調べた限り、未だ成功には至っていないと思われます。ただ着実に疑問や問題点を改善している様でしたので、近いうちに成功するのでは、と。」


「……チロさん。」


「えぇそうね。」




「「強化される前に消し飛ばす。」」




ふふ、やっぱりチロさんは最高ですね。思考がぴったり合致します。相手が強く成ろうとするのであれば、それを止めて強くなる前に消し飛ばす。これほど素敵な考えはないでしょう。邪神や魔王と比べ、まだ彼は全く悪いことをしていないでしょうが……。存在自体がこの世界にとって害なのです。


恨むなら無限増殖なんてバグを生み出してしまった製作陣をお願いします。



「なんかこれまでやった準備が全部無駄になった気がしますけど、終わりよければすべてよし。というわけでボブバイク召喚ッ! 行きますよチロさんッ! 初手ブッパで消し飛ばしますッ!」


「了解ッ!」


「あ、危険です主様ッ! せめて私もお連れくださいッ! 肉壁の役目、必ずや果たして見せますッ!!!」


「ちょっとまてぇいこの蝕虫! 今動かれたら全部ぶっ飛ぶんじゃッ! じっとしとれ馬鹿ッ!」


「あ、主様が戦場に赴かれるのですよ!? 畜生風情が何の権利をもって止めるのですッ! 主様のペットならば、大人しく帰りを待ってなさいッ!!!」


「はぁぁ!? 畜生じゃとッ! おま、言ってはならんこと言いおったなッ! もう許せんッ! 修正が終わるまで動けぬようボコボコにしてやるッ! そこに直れッ!!!!!」






「……アレ止めなくていいの?」


「まぁ多分何とかなるでしょ。」





次回、ついに辺境伯戦……!





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