15.強制報告会1
本日、4巻の発売日となります。
よろしくお願いいたします。
ロナルドの世話が騎士だけでは手に余るだろうと考えたハロルドとアーロンは、仕方なく責任者の下へ連行する場面に立ち会うことにした。
ロナルドは心底面倒そうな顔をしていたが、ハロルドが実感を込めて「神って意外と祟るよ」と言うと渋々歩き出した。
「そんなにヤバいのかよ」
「そもそも、俺がここにいる理由が神のお願いを断ろうとして祟られかけたからだよ」
「ヤベェ神に好かれてんな。俺に加護をよこしてるおっさんはやると思えねぇんだが……」
「その奥さんは『あの方、何も考えていないの』ってキレてたよ」
「……もしかして、ちっこくて胸のデケェ女?」
「よく知ってるじゃないか」
どうやらフォルツァートの妻の一人である天秤の女神ユースティアはロナルドの元にも訪れていたらしい。ロナルドは本当に嫌そうな顔をしている。
「あの野郎、『ティアは真面目で厳しく、そこが美しい』って言ってたけど、俺からしたら口うるさいだけなんだよな」
「フォルツァートって愛妻家だって聞くけど……」
「妻は好きみたいだな。子どもはどうでも良さそうだけどよ」
ロナルドの言葉に、ハロルドは怪訝そうな表情をした。
少なくとも、彼はフォルツァートの子どもである存在と縁があるらしい。
そんなことを話しているうちに今回の遠征の責任者であるアンリの部屋にたどり着いた。騎士が扉を叩くと、アンリの側近であるダニエル・カーネリアンが顔を出す。
「神子様方ではありませんか?何か問題でもありましたか?」
「飯が足りない」
ロナルドの言葉に、ダニエルは苦笑しつつ「厨房に何か頼んでおきましょう」と答える。そして、そんなロナルドの言葉に騎士は頭を抱えたくなっていた。ここにきた理由はそれではない。
「ロナルド」
「うるさい。フォルツァートからの伝言、伝えりゃあいいんだろ」
ロナルドの言葉を聞いたダニエルは真顔になった。そして、「少々お待ちください」と言って、部屋の中に戻る。アンリへの報告に向かったのだろう。
「やっぱり、さっと出ていって俺たちだけで解決した方が早かったんじゃねぇか?」
「帰るのが遅れた時、驚くほどの騒ぎになってるぞ」
「俺たちは叱られると普通にしょげるので……」
「お前ら、俺は怒られても何も感じないと思ってそうだな?」
「「思ってるけど」」
揃った声にロナルドはピキっていた。
普通にムカつく返答である。
しかし、確かに怒られても行動を改めてこなかった彼はそう思われても仕方のないところがあった。
「説教が効くタイプならもう少しこう……品行方正になってるだろ」
「というか、夜会で突っかかっても来ないでしょ?」
「殴るぞ、ガキ共」
ロナルドがそう言った瞬間、後頭部にそれなりの衝撃があった。思わず振り返ると、青い妖精が腰に手を当てて不機嫌そうに飛んでいる。
「ハルを脅した。絶許」
「おい、俺よりこいつのが絶対凶暴かつ凶悪だろ」
ちょっと否定しきれないハロルドだった。




