14.目覚めの時
ハロルドは日に日に憔悴していった。それと逆転するように、ジニアは目を覚ました。
「ま、な……ぎょーくん……?」
「マナは死んだんでしょ?あのガキは監視中よ」
かけられた声に驚いたジニアは、咄嗟にその方向を向いた。
そこには、かつて友と呼んだうちの一人が座っていた。姿を見るだけで、かつてよりも力が増していることに気付く。
「リリィちゃん……」
「久しぶりねぇ、ジニア」
ひらひらと手を振って綺麗な笑顔を向ける彼女は、前に旅をしていた時と変わらないのに、どこか妖精王ティターニアを目の前にしているような緊張感がある。
(わたしが離れていた間に、何があったの?)
これだけの力があれば、ジニア一人でもマナと暁明を助けられただろうか。
思わずそう考えてしまう。
「そうだ、マナが死んだってどういうことなの!?」
「あら、知らなかったのぉ?まぁ、ウチらも、あのガキンチョが言うには死んだってくらいしか聞いてないんだけどぉ」
リリィはそう言って、ジッとジニアを見つめたあと、溜息を吐く。
「運が良かったわねぇ?マナはあんな男に捕まって、ウチらの制止を聞かなかったけど、良心はずぅっと持ってた。あのギョウメイってやつも、アンタをたった一人の家族って言ってたわ。ハルに頭を下げて、どうしてもって言うから、そこにいるルクスがハルと一緒にジニアを助けたの」
「運……」
何とも『痛い』言葉だ。
「ほんとに運が良いなら、マナを連れて、帰って来れたはずなの」
ジニアの声は、静かな部屋に響いた。
リリィが苛立ったように立ち上がると同時に、部屋の扉が開いた。
「あら、目が覚めたのね!」
「おひさ」
ローズとネモフィラの後ろから、顔色の悪いハロルドが現れたのを見て、リリィは口を噤んだ。
「目が覚めて良かったね」
「そうだな」
ルアと一緒に微笑むハロルドの後ろから「ちゃんと休んでろよ!」というアーロンの声が聞こえた。
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
【お知らせ】
続刊&コミカライズが決まりました!!
ただいま4巻製作中です。
コミカライズに関しましては、情報解禁許可が出次第、またお知らせさせてください。
これも応援していただきました皆様のおかげです。引き続き、本作をよろしくお願いいたします。
『巻き込まれ転生者は不運なだけでは終われない 3』2025年7月25日に発売いたしました。
今回もRuki先生にハロルドたちを魅力的に描いていただいております。
書き下ろしもしておりますので、ぜひお楽しみいただけますと幸いです。
現在、1巻・2巻も好評発売中です。こちらもよろしくお願いいたします。
3巻店舗特典はこちら↓
OVERLAP STORE様
書き下ろしSSペーパー『太陽の恵み!』&イラストカード
全国の特約店様
書き下ろしSSペーパー『砂の妖精たちの贈り物』




