1.厄介ごとを憂う
短め
「それにしても今になって留学、とはな」
執務室でアンリが呆れたような顔をしている。
加えて、リリィに投げつけられた手紙を見て溜息を吐きたくなった。
フィアンマ帝国は色々と厄介な国だ。
奴隷関連もそうだし、魔王と呼ばれる存在を主に引き受けていることも関係しているだろうか。
それがハロルドと接触したがっている。
(魔王災害関連で力を借りたがっているのか、ハロルドの比類なき美しさをどこかで聞きつけたのか……)
女帝の意思がどこにあるのかわからない。
周辺国の考え自体はわからなくもない。マーレ王国の件で国すらも滅ぼせる力を与えられていることを知っているからこそ、せめて懐柔しようとしているのだろう。
ハロルドのことを知っていればいるほどに「放っておく」ことこそが、本来彼の一番望む所だとわかる。しかし、多くはそんな彼の性格や願望など知らないだろう。権力の、野心のある者こそ、ハロルドの望みは理解できないかもしれない。
「……荒れなければ良いが」
「まぁ、無理でしょうね」
サラッとそう言ってくるダニエル・カーネリアンに、アンリはめちゃくちゃ嫌な顔をした。
「とりあえず、アイマン殿には彼の元義姉が来ることは言っておいた方が良いのでは?」
「そうですね。向こうで婿が見つからず、焦っていて連れ戻したがっている様子らしいので」
「そりゃ、人格面で問題があって王太子にブチギレられたような女は嫌だろ」
「大人しく幽閉するなり、なんらかの処理をするなりしていたらアイマン殿はこの国に渡って来なかったでしょうに」
ダニエルとエドワードのそんな言葉に、アンリも頷くしかない。
「流石に国がなくなれば困るだろうし、お目付役は来るだろう」
「というか、処分するための理由を作りに来てんじゃないですか?」
「有り得るのが嫌ですね」
ロナルドも魔物相手に暴れているという報告がきていた。
三人は疲れた顔で溜息を吐いた。
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
場所によってはもう書籍が並んでいるとのことです。ドキドキしますね……。
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今回もRuki先生に素晴らしいイラストをたくさん描いていただいたので、ご期待ください!!
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特典等詳細は著者活動報告にも書いておりますので、ぜひご確認ください!




