24.君へ
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宙に杖が浮かんでいる。大きな赤い石はルビー。周囲には赤い光が舞っていた。
幻想的な光景に、創作者の後ろにいたペーターは息を飲んだ。
(一見の価値有り、なんてアーロンが言うわけだ)
杖に手を翳し、魔力を調節するハロルドは息を呑む美しさだ。神々しくさえある。
やがて、光は杖に収束していく。杖を手に取ると、ハロルドはそれをジッと見つめ、「うん、良い感じ」と小さく呟いた。
「ごめん、待たせたね」
「別に、言うほど待ってないし」
むしろ杖作りに魅入ってしまった。ずっと、永遠にでも見ていられる。そう思ってしまうような姿だった。
そう思われているとはつゆ知らず、ハロルドは手を叩くとアイマンが「持ってきたぞ」と箱を持って現れた。
「ありがとうございます」
「いいよ、給金をもらっている立場だからな」
ニッと笑うアイマンに微笑みで返すと、箱を受け取った。そしてペーターに向き直る。
「ペーター、これは頑張ってる君への贈り物だよ」
ハロルドから贈り物を受け取ると、ペーターは「開けていい?」と震える声で尋ねた。ハロルドが頷いたのを見てから、それを開ける。
中から出てきたのは黒いダガーとナイフがいくつか。ダガーは刃まで真っ黒で、光に翳すとわずかに紫色の光が散るのが美しい。
「それは初心者用の短剣である程度扱いに慣れてから使うといいよ。あとこっちは防具と投げる用のナイフ……今度冒険者ギルドに行って登録しておいで。ちゃんと講習を受けてから魔物と戦うように。……心配するから」
ハロルドの言葉に無言で頷くだけになっているペーターを見ながら、アイマンが苦笑する。ペーターは今にもギャン泣きしそうだった。
(無理もない。両親が死んで以来だろう、こんなことは)
楽しめるお祭りも、プレゼントも、こうやって誰かと笑って過ごす日常も。
ペーターの境遇を聞いているだけに、ハロルドが実の家族のように「だからあまり無茶はしないようにね」と注意する姿を見ている。それが素だというのだから天然の人たらしだ。
「あのさ……ありがと」
なんとか絞り出した声に、アイマンは「よく頑張ったな」と後方兄貴面で頷いた。
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
ハロルドにたらしこんでる自覚はない。
◆質問とか
Q.痛みよりも精神に来るのは痒みだから、水虫とかも良いかも
A.多分天然物がいそう。あと、性病で痒いやつも出てると思う。
Q. 虐げられてた分きっちり仕返し(正当な法の範囲内で)ならなんとも無いんだろうけど、完全に関係性が入れ替わって虐げられてた方が変わって加減とか考えなくなったらフォルツァートがブチギレるのかな...?
A.そりゃあ、まぁ……そう。キレたアイツは嫁でも止められない。
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2024年6月25日に巻き込まれ転生者は不運なだけでは終われない1巻が、オーバーラップノベルスさまより発売いたしました。書籍購入の報告や感想いただけるととっても喜びます。
イラストレーターはRuki先生です。素晴らしいイラストをたくさん描いていただいたので、ご期待ください!!
特典等詳細は著者活動報告にも書いておりますので、ぜひご確認ください!
今後もどうぞよろしくお願いいたします!




