9.来訪予定のお姉様
本日はオーバーラップ情報局様より口絵がXに投稿されています。ブログなどからも見れるのでこちらもぜひのぞいていただければと思います。
愛娘を愚弄するかのような縁談にブチギレていたラリマー子爵家は、第二王子ジョシュアからハロルドの提案を聞かされた。死後はラリマー家にと拘束力ガチガチの魔法契約まで行うということでその提案に乗ったのである。
そのことでブチギレたのはフォルツァート教の者たちだった。せっかく異教徒の、それも彼ら曰く女らしさに欠けて結婚できなさそうなシャルロットに声をかけてやったというのに、なんて本気で考えていた。ハロルドが聞いたら、「意見の相違ですね」とニコッと笑ってぶった斬ったかもしれない。
ハロルドの考えでは聖剣よりもシャルロットの方が価値が高いのだ。実際に『意見の相違』にはちがいない。
「これでシャルロットさん関連はよし」
「……お前が恨みを買っていないか」
「狙われているのは今更だしね」
豊穣祭の件は一応ハロルドとルートヴィヒの共同事業だ。二人で集まって話し合うついでに、シャルロットの引き抜き阻止の話をしていた。
「そもそも、女らしさに欠ける、なんて考えている時点で見る目ないよ。彼女がもったいない」
「それはそうだな。そも、姉上が連れて行きたがったほどの女騎士だ。生半可な人間に嫁ごうとしても横入りがあるに決まっている」
「お姉さん?」
「そうだ。ハルはまだ会ったことがなかったな。今はジルコニア公爵夫人である第一王女クラリッサだ」
第二王女アンネリース、第三王女ドロレスの存在は知っているが、ハロルドが王都に出てきた頃にはもう王籍を離れていたためにどんな人かは知らなかった。
「この豊穣祭で、娘を連れて会いに来ると気合い十分だったよ。……ジョシュア兄上の身体と精神が持つかな」
「え」
クラリッサは昨年度、妊娠出産のためにあまり表に出てこなかったが、夫に弟であるジョシュアのやらかしを聞いて「一発ぶん殴ってやりますわ!」と臨月にもかかわらず家を飛び出そうとしていたらしい。それを聞いたハロルドは「陛下の血が濃すぎる」と呟いた。
(パトリシア様も十分気が強いから、足して二で割っただけだと思うんだよな。私は)
パトリシア・ルビー・エーデルシュタイン。
彼女はこの国の王妃であり、第一王女、第一王子、第二王子の母である。見た目通り気が強い華やかな美女であるパトリシアに似ても十分同じことを言いそうだ。
そう考えたルートヴィヒはすぐに「いや、口の悪さは大体父上の方か?」なんて思い直した。
「まぁ、気にすることはないよ。私もあまり会ったことはないが、兄上たちの姉だからな。悪い人ではないだろう」
ルートヴィヒがそう言うと、ハロルドも「まぁ、そうだよね」とアンリたちを思い出しながら頷いた。
公爵家の人間と話すことになりそうなことが、ハロルドには気が重い。だが、同時に友人のお姉さんなので会うこと自体に抵抗はない。
「催し物を気に入ってもらえるといいけど」
「そうだな」
いつも読んでいただき、ありがとうございます!
なお、縁談はまだちょっと断りにくいところとかが来てる。
◇質問とか
Q.いっそのこと聖剣にシャルロットの相手を選んで貰えばいいのでは?
A.シャルロットが今持ってる聖剣はシャルロット以外の全員嫌いなので、聖剣に任せたら全員炎上(物理)する。
Q. 求婚者達とその実家は聖剣がシャルロットの所有物と考えているようだが、ラリマー家はどう考えてる?
A.ラリマー家は子爵家なので、ここよりも爵位高いところが「行き遅れ引き取ってやるから聖剣よこせ」って言ってきてて面倒臭いことになってる。ラリマー家自体はシャルロットをそういう扱いしていることにも、家宝的な品をよこせといってくるという点でも二重にキレてる。使える者が現在シャルロットしかいないので彼女が使っているが、一応家の所有物。
とりあえず、ハロルド関わったら王家がこんにちはするので、一応は勝利確定演出入った。
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イラストレーターはRuki先生です。素晴らしいイラストをたくさん描いていただいたので、ご期待ください!!
特典等詳細は著者活動報告にも書いておりますので、ぜひご確認ください!
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