8.聖剣目当ての求婚者
本日、オーバーラップ情報局様にて妖精ちゃんたちのキャラデザが出ています。三人ともとてもかわいいので観ていただけると嬉しいです。
ハロルドは調査をノアに頼んだ。
第二王子ジョシュアの側近であり、暗部の人間である彼であれば、調べるのにはさほど苦労しないのではないか。そう考えたのである。
依頼してすぐに、彼は手紙をよこしてきた。その速さもあって、ハロルドは「そもそも何が原因か、知っていたのかな」なんて思いながら封を開けた。
頭を抱えた。
「ハロルドー、ふろ……なんでまた頭抱えてんの?」
「やらかしたからだよ、ペーター」
呼びにきたペーターにそう告げた彼は、こめかみをトントンと叩いて腕を組んだ。
シャルロットが疲れているのは縁談のせいだったらしい。それも、彼女自身を求めてのことでなく、ハロルドが全員の生存のためにと復活させた聖剣が目的で。
(聖剣よりもシャルロットさん自身の方がよほど価値があるだろうに)
聖剣は持ち主を選んだ。シャルロットを大事にしない人間にそれが良い効果をもたらすだろうか。
それはおそらくないだろう。
(シャルロットさんがどうしても結婚したいなら止めないけど、そうじゃないのならまぁ……疲れるよね)
ふむ、と頷いて一応手助けのためにいくつか手紙を書こうと筆を取る。が、それはペーターに奪われた。
「ハロルド、とりあえず風呂」
「あ、うん」
さっさと行ってこいと背中を押されて、部屋を出される。
風呂の中で文面を考えるか、と切り替えてハロルドはそのまま歩き出した。
やることを脳内で考えて、風呂から出たハロルドはウィリアムとジョシュアに相談の手紙を送ることにした。ウィリアムはハロルドが信頼しているフォルテ教の神官であり、ジョシュアは現在宗教関連の仕事を回しているので自分が相談をするならまずはここだろうという判断である。
ちなみにハロルドとしては『聖剣』はとりあえず『ハロルドの物』ということにしておいて、現在シャルロットに『貸し出して』いる。そういうことにしておけば話が減るのではないか、という提案だ。
(俺の死後に確実にラリマー家に返還されるよう契約書作っておかないといけないし、シャルロットさんが結婚したいならやっぱり止めないけど)
元々がラリマー家の剣であるので、彼らも不快かもしれない。そう考えて強制ではないと強調しておく。
「そういえば、聖剣って勇者の持ち物じゃないのかな」
フォルツァートの勇者とされるロナルドが聖剣を持つという話は聞かない。ハロルド自身、彼と関わりたくないのもあって積極的に情報を集めているわけではないが、取り上げて彼に渡そうという考えをしている人間もいるのかもしれない。
(そもそも、聖剣ってどうやってできる物なんだろうな)
神様から与えられる物なのか、神の力を借りて人が作り出す物なのか、よくわからない。だが、一本ではないらしい。歴史を紐解けば確実に能力が異なるだろう聖剣の存在がいくつか記載されていた。




