25.新たなファン!?
短め。
ハロルドが与えてくれた和食で、少しだけホームシックがマシになったマリエは考えていた。
——やっぱり、神っていうのはフォルツァートじゃなくてハロルドくんでは?
そんなわけはないのだが、召喚されてから碌な目にあっていなかったことや、自分の思うようにならない現状。その生活を多少なりとも気遣ってくれるハロルドに信仰心のような物が芽生えつつあった。ハロルドからしてみればいい迷惑である。
ハロルド=ゴッド。故に心を込めて奉仕せねばならない。
マリエも色々限界だったので、思考がぶっ飛んでいた。
「だから、ハロルドくんの神殿とか建てられないかなって」
「マリエ、それやるとおそらくハロルドは閉じ籠って出てこなくなるぞ」
「天の岩戸ってわけか……ゴッドだもんね……」
「ヤバい、話が通じない」
ジョシュアは頭を抱えた。好きな女の子の力になってあげたいが、これはライン越えだ。兄にも弟にも全力でボコボコにされるやつだ。さらに両親とウィリアムも全力でぶちのめしに来る。未来視みたいな能力がなくてもありありと目に浮かぶ。
「信仰は別に神殿がなくともできるだろう。彼のおしかつ?とやらをしている令嬢を知っているが……」
「紹介してください!!」
「う、うん……」
マリエの勢いに圧倒される。
(すまん、みんな……俺ができるのはまだラピスラズリ侯爵家のコントロールが利く範囲に抑える程度だ)
ハロルドは基本的には何も望んでいない少年なのに、どうしてこうも周囲が変な方向にぶっ飛んでいくのだろうか。
彼は普通に親切なだけである。飛び抜けて善人というわけでもない。だというのに、なぜこうなるのだろうか。ジョシュアは訝しんだ。
「ジョシュア殿下ー!アンバー男爵からお土産もらいましたよー!!お野菜!!」
ノアが夏野菜を抱えてジョシュアの部屋に入ると、キラキラした目のマリエがいた。
「お前、よりにもよってこんなタイミングで……!!」
これにより、ノアはすっかりハロルドオタクに足を踏み入れた聖女マリエに、ダンジョン内での様子を事細かに話すよう要求されることになった。
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