24.休息と褒美
とりあえず、同行メンバーにも休息の場を手配してもらって、ハロルドとルートヴィヒは同時に溜息を吐いた。渦の中心だったミハイルとトゥーナはなんか青春している。別にそれは構わないが、みんな疲れている。なんなら、不運に苛まれ続けていたミハイルも一応疲労困憊だ。
「それで、陛下はなんて?」
「命に関わるならしゃーない、と言っていた。というか、加護の内容が本人の不運と合わさってまともに生活できるようになる、というものだということにしてある」
実際はいろんな祝福効果があるようだが、実際に城で様々な不運を巻き起こしていたおかげでそういうことにできた。権力者が味方で良かったと思う瞬間である。
そして、聖女はというと味噌汁を啜っていた。
「おいしい、おいしい。しあわせ」
「おにぎりもあるで!」
「しあわせ!!」
珠に用意してもらった和食。それがマリエに用意していた報酬だった。米は珠が大和から持ち込んだものであり、現在ハロルドの領地で栽培も始めている。
「……マリエ殿の機嫌が良ければジョシュア兄上も嬉しそうだから私は構わないが……これはお前の負担ではないか?」
「特に負担にはなっていないよ。俺は領地に住む人に頼んでるだけだし……それにまねきねこ商会の人たちが思ったより食いついてるから」
米も大豆も、まねきねこ商会で大和から珠と共にやってきた人々のニーズに刺さりまくりで無駄にはならない。特に大豆は「お揚げ、おいなりさん、サイコーや!!」なんて言うお狐様の心を掴んでいる。
「お金も、なんか正気疑う金額が振り込まれてるから使ったほうがいいし」
「肥料代か。バリスサイトが蘇ったこともあって、他の土地でも試されているせいだろうな」
それだけではなく、エリザベータが皮膚トラブルや美容関係で困った時に色々作っていたせいで化粧水、乳液などが充実した。それがバカ売れしていたりする。そこに例の軟膏も加わりそうだ。
「他の人も作ってただろうに、なんで売れてるんだろうなぁ」
「ハルのレシピで作った化粧水などが従来のものより効能が良かったらしい」
婚約者のための物が思わぬところで収入になっていることにハロルドは苦笑した。
「ところで、ヤバいダンジョンだったせいで褒美が出るらしいぞ」
「勘弁してよ……」
王家からの褒美に頭を抱えるのはハロルドくらいだろう。
ハロルド「ご褒美に貴族やめられない??」
ルートヴィヒ「逆に爵位上がるんじゃないか?」
ハロルド「勘弁して」




