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【書籍化】巻き込まれ転生者は不運なだけでは終われない【4巻1月25日発売・コミカライズ化決定!】  作者: 雪菊
8章

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1.打ち上げ

ちょっと短め



 試験が終わり、ハロルドの体力がようやく回復した頃、エーデルシュタイン王国には夏が訪れようとしていた。生温い風は、それでも湿度が少ないだけ不快感は少ない。



「ハル、ご機嫌よう」


「ご機嫌よう、エリザ。ああ、俺の贈ったブローチ、つけてくれたんだね。君の藍色の瞳によく似合う」



 選んだものが似合っていて、ホッとしたような顔のハロルドをよそにエリザベータは「これだからこの人は……」と薄ら頰を染める。良くも悪くも、ストレートだった。

 エリザベータを連れて部屋へ向かえば、「僕は頑張りました!!」と試験結果の紙を掲げるブライトがいた。



「いつもそれくらい頑張れば、補習への恐れなど持たずに済むのだがな」


「いつもは勉強したくないー!!」



 そう言って口を尖らせるブライトに、ルートヴィヒは溜息を吐いた。コツコツやることが大事なのだ、なんて本人も分かってはいるだろう。



「わがまま言うな。っつーか、領主になるんだから勉強はやれ」



 アーロンがそう言いながらテーブルに料理を並べていく。後ろでシャルロットが手伝っていて、スノウが「おれもできるぞ!」と皿をドヤ顔で運んでいた。



「あと、家主より早く食おうとすんな」



 それにはバツが悪そうな顔をした。

 なお、手伝っていないのは、すでに食器を何枚か割ったため追い出されたせいである。



「まぁ、みんな揃ったし」


「ブライトは甘やかすな。調子に乗る」



 ハロルドの言葉に、アーロンはすぐさまそう返す。そんなことを言うアーロンだって、「今回は頑張ってたからな」とブライトの前に大きめのチキンステーキを置いていた。



「ハロルド、タマさんから果実水届いた!!」


「毎度ありぃ〜!」



 ひょっこり顔を出した珠に手を振って、「それじゃあ、始めようか」と部屋の中を見まわした。

 みんなでグラスに果実水を注ぐ。


「無事に中間考査が終わったことを祝して!!」



 ブライトが意気揚々と「かんぱーい!!」と声を上げた。

 友人に囲まれて、ハロルドは楽しそうに笑った。

いつも読んでいただきありがとうございます!

感想もたくさんありがとうございます!!

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