1.打ち上げ
ちょっと短め
試験が終わり、ハロルドの体力がようやく回復した頃、エーデルシュタイン王国には夏が訪れようとしていた。生温い風は、それでも湿度が少ないだけ不快感は少ない。
「ハル、ご機嫌よう」
「ご機嫌よう、エリザ。ああ、俺の贈ったブローチ、つけてくれたんだね。君の藍色の瞳によく似合う」
選んだものが似合っていて、ホッとしたような顔のハロルドをよそにエリザベータは「これだからこの人は……」と薄ら頰を染める。良くも悪くも、ストレートだった。
エリザベータを連れて部屋へ向かえば、「僕は頑張りました!!」と試験結果の紙を掲げるブライトがいた。
「いつもそれくらい頑張れば、補習への恐れなど持たずに済むのだがな」
「いつもは勉強したくないー!!」
そう言って口を尖らせるブライトに、ルートヴィヒは溜息を吐いた。コツコツやることが大事なのだ、なんて本人も分かってはいるだろう。
「わがまま言うな。っつーか、領主になるんだから勉強はやれ」
アーロンがそう言いながらテーブルに料理を並べていく。後ろでシャルロットが手伝っていて、スノウが「おれもできるぞ!」と皿をドヤ顔で運んでいた。
「あと、家主より早く食おうとすんな」
それにはバツが悪そうな顔をした。
なお、手伝っていないのは、すでに食器を何枚か割ったため追い出されたせいである。
「まぁ、みんな揃ったし」
「ブライトは甘やかすな。調子に乗る」
ハロルドの言葉に、アーロンはすぐさまそう返す。そんなことを言うアーロンだって、「今回は頑張ってたからな」とブライトの前に大きめのチキンステーキを置いていた。
「ハロルド、タマさんから果実水届いた!!」
「毎度ありぃ〜!」
ひょっこり顔を出した珠に手を振って、「それじゃあ、始めようか」と部屋の中を見まわした。
みんなでグラスに果実水を注ぐ。
「無事に中間考査が終わったことを祝して!!」
ブライトが意気揚々と「かんぱーい!!」と声を上げた。
友人に囲まれて、ハロルドは楽しそうに笑った。
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