表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】巻き込まれ転生者は不運なだけでは終われない【4巻1月25日発売・コミカライズ化決定!】  作者: 雪菊
7章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

261/534

31.すくうもの

前日18時前くらいに1話更新してるのでまだの方はそっちから呼んでください〜



 放り投げられたデイビッドをアイマンがキャッチする。

——その瞬間だった。


 剣がぶつかり合うような、高い音が聞こえる。

 そして、シャルロットの目線の先には大きな黒いドラゴンがいた。その赤い目には怒りを感じる。けれど、不思議とハロルドの目には反応しなかった。

 その手の中には動かない何かがあった。それを鑑定すれば「ドラゴン(素材)」とある。素材などと表記される場合、その存在は既に死んでいる。おそらく、それはこのドラゴンの子なのだろう。

 デイビッドがドラゴンに叫ぶ。しかし、それは言語というよりも鳴き声だ。それも、目の前に在るドラゴンと同じような。



「デイビッド、君はもしかしてあのドラゴンと話せるのかな?」


「はい!どうか、どうか彼女を攻撃しないでください!!子供を失って、悲しんでいるだけなんです……」


「なら、その責任は誰が取る。この国の民に害があったならば、その命をどうする。これ以上暴れるのであれば……攻撃しないわけにはいかない。かといって、君の命をかけられても困る」


「そんな……」



 ハロルドからすれば「そんな……じゃないんだけどな」という気持ちである。

 どこまでの情報を聞かされているのか分からないが、彼が王族であることは事実であり、ドラゴンが暴れればこの周囲の人々が傷つくのも事実である。



「ハロルド、どうする」


「これ以上の面倒は起こらないように調整をかけて来たけど……」


「……お前は何をやってるんだ」



 呆れたようなアイマンにニッコリと笑みを作る。根回しをしておかないと爵位がガンガン上がっていく予感しかしない。功績は欲しくない。ハロルドの望みはあくまでも穏やかな暮らしである。



「さて、デイビッド殿下。説得できる自信がお有りなら、時間稼ぎくらいはできます。けれど、できないのであればここで処分します」



 手を横に向けて銀色の鍵を取り出すと、開け(オープン)と呟く。異空間から現れた大きな杖はハロルド自身よりも頭一つ分は大きい。

 それを掲げると、柔らかな金色の光が舞う。



「説得します!!」



 そう叫ぶデイビッドの目には覚悟が見える。



「神子様、それは……!」


「これでピースは揃った」



 シャルロットの制止するかという声を遮って呟くハロルドの瞳は、氷のような冷えた青に染まっていた。



「みこ……さま……?」


「この子の意に沿わぬものは、すべて、すべて氷雪の下に」



 ハロルドの中性的な声に、どこまでも冷たい男の声が重なって響いた。

どこまでが彼の意思か。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ