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女神のうっかりと再会と神様の名前

難産と体調不良で投稿が遅れてしまいました、申し訳ありません。

 女神のうっかりと再会と神様の名前




 あれから暫く唖然としていましたが、落ち着きを取り戻して神様の話を聞いてみると、大体何が起こったのかわかりました。

 まとめると、あの時僕をこの世界、【融合世界パンゲア】に送り出した時に、女神様がくしゃみをしたせいで転生先が本来予定されていた場所とは違う所に転生してしまったようです。


 本来だったらとある貴族の三男で悠々自適な生活が約束されていたはずだったのですが……、くしゃみのせいでかなり訳ありの所に生まれてしまい、クーゲル領に捨てられていたとのこと。

 ちなみに捨てたのは、両親ではなく周りいた人たちだとか……。


 捨てられた理由は……父親が不明なんだそうです。

 貴族の女性が、名も知らぬ男に孕まされた子なんて醜聞にしかなりませんからね。

 事情はわかりますが、捨てられた身としてはふざけんなって言いたいですよ。

 ちなみにその父親ですが、僕が捨てられた後に単身屋敷に乗り込み、幽閉されていた奥さんを攫って逃げ出したそうです。

 責任は取ってるのかもしれませんが……、一体どんな人だったんでしょうね?


 ちなみにこの両親、家族に知られ無い様に何度も会っていたとか……。

 詳しい出会いは教えてもらえませんでしたが、先程の名も知れぬ、というのは母側の親族にとってです。

 愛はしっかりあったそうですよ。

 そして肝心な話、実の両親に会いたいかと聞かれたら……会いたくはないなって思っちゃいました。



「良いのか? 実の両親の事は聞かなくて」

「うん、今の僕にはガルパパ達がいるからね。今更実の両親が出てこられても困るというか……」

「そうか、なにか望みがあればある程度のことなら叶えられるぞ」

「望みと言われましても……現状満たされてますからね。……あ、二つほど思いつきました」

「ふむ、それはなにかな?」

「一つは、もし母が僕が捨てられたことを気にしているようでしたら、幸せに暮らしている事を夢か何かで知らせられたらそれでお願いします。まあ父親も一緒に見せてあげてくれてもいいかな」

「ふむ、まあそれは構わんぞ。お前さんを産んだ母親の方はかなり気落ちしていたからな。父親と一緒に駆け落ちして国をでてからも数年は探しまわっておったようじゃからな、じゃが探しても探しても見つからない事に一度倒れたからな。父親がおらんかったらもうこの世を去っていてもおかしくはなかったじゃろうな」

「……では、一つはそれでお願いします」

「ふむ、それで、もうひとつは何じゃ?」

「もう一つはですね……約束、忘れてませんよね?」

「……そうじゃったな、まさかもう一度会えるとはあの時は思っとらんかったからな」

「あ、やっぱりこの出会いは想定外なんですね」

「その通りじゃ、あやつがあんなポカしなかったらこの出会いは無かったじゃろうな」


 そういって、さっきからずっと正座している女神をちら見する。

 いったいどうしたんでしょうか?


「反省を促すためにあの後からずっと正座させておったんじゃよ、あいつは普段は有能な女神なんじゃが時折洒落にならんミスをするんじゃ。その度にこんなかんじで罰を与えておるんじゃが……」


「ごめんなさ~い!」

 泣きながら謝罪してくるけど、もしかして6年間ずっと?


「ま、お前さんの思う通り、あれからずっとじゃ……、まあ神にとって見れば一瞬のようなものじゃて」

「あ~……」








 それから暫くして、一応女神様の罰が終了して自己紹介となりました。

「さて、約束通り名乗らせてもらおう、儂はゼファー。この世界の神をさせてもらっておる」

「私はドーラよ、この人の奥さんで愛や絆の女神をさせてもらってます」

 女神様、足が生まれたての子鹿状態ですよ、めっさガクガクしてますよ!?

 ちなみにゼファー様、僕がやばい状態になった時、いくらか干渉して守ってくれていたみたいです。


「そろそろ時間じゃが、家の嫁が済まなかった、重ねて謝罪させてもらおう」

「わざとでは無かったとはいえ、ごめんなさい」

「ええ、ゴブリンに襲われた時は本気で恨みかけましたが、お陰でいい人達とも出会えましたから。

 僕をこの世界に転生させてくれてありがとうございます」


 そういった瞬間、世界はまた真っ白になり始めた。

「それにしても、本当にあの願いでよかったのか? 正直あれでは全然足らんレベルだぞ? もう一回ダーツしても問題ないぐらいじゃ」

「いいんですよ、正直今持ってるのだけでも手一杯ですし……、下手な力は身を滅ぼすって言いますし……」

「……お前さんが来てくれてよかったのかもしれんな、またどこか出会おうぞ」

「その機会があればまた……あ、最後に一つお願い、いいですか?」

「ん? それは構わんが、なんじゃ?」

 そう言って、ゼファー様に小声でお願いしてしまった。

 さっきはああ言った手前、ちょっと恥ずかしいけど、やっぱり一目だけ見てみいんだよね。

 両親の笑っている顔を見せて欲しいって頼んでしまったのだ。





「美味しいものの概念持ち込んでくださってありがとうね」

「では、さらばじゃ!」

 世界がまた一度真っ白になる前に、女神が手を降っているのが見えた。

 そして世界は先程の教会に戻った。時間は……動いてないね。


「汝、フェルヴ=オルムに神の祝福があらんことを」




 こうして7歳の誕生日を迎え、予想外の出会いと名前をもらえたのでした。




「ねえベアパパ、何でフェルヴでフゥなの? フゥじゃなくてフェルが愛称だと思うんだけど?」

「フェルよりフゥの方が言いやすいし可愛いからだな」



 次回、学園編に続く。


 次回から学園編に移行します、そして3年が飛びます!

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