石窯とパンと……
気がつけばついに10万文字突破!
ここまで書いてこれるのも視聴してくれる皆さんのおかげです!
これからも頑張っていくのでよろしくお願いします!
石窯とパンと……
はい皆さんおはようございます、あれから4日経ちました!
現在日付は3月8日、AM5時、ガルドパパもぐっすり寝ています。農家の皆さんはもう起きだしている時刻ですがここ、迷いの森の朝はゆっくりです。ちなみになんでガルドパパもぐっすり寝ているのかわかるかと言うと……「ぐ~……ぐ~……zzzz」
はい、僕の目の前で寝ているからです、と言うか一緒に寝ています。この家に来た時、最初は一人で寝ると思っていたのですが……。
「ほらほら、寝るぞ寝るぞ~」「寝るか~」っと、二人に寝室のキングサイズのベッドへ連れ込まれました。
「えっと、これは?」いきなりのキングサイズベッドにびっくりしながらも聞いてしまった。
「ん?これか?元々親父が使ってるベッドだぜ」「何か問題があったか?」という二人の会話に戸惑いながらも「えっと、自分の部屋で一人寝だと思ってたんだけど……」一応各自自分の部屋を持っていて、そこにちゃんとベッドが有るんですが寝る時になって何故かこの部屋につれてかれました。
「そりゃ決まってるだろ、一緒に寝るなんて子供の内の特権だろ」「遠慮する必要はないぞ」二人共笑いながら言っていますが……、まあ嫌なわけじゃないんですけど。
そんな訳でお父さん達と一緒に寝ているわけですが……、まあなんと言うか挟まれてます。
こう僕が仰向けで寝てその左右に二人が寝ているんですが、朝起きたらサンドイッチになってます。
大体どっちか向いてるんですけど、今日はガルドパパの方を向いて背中にヴェルグ兄様の羽毛が暖かいですね。前日はヴェルグ兄様の方を向いてて起きたら羽毛に包まれててちょっと焦りました……でも、モフモフしてました。お父さんはツルツルしてました。
こっちに来てからの朝の日課は朝の柔軟、二つの身体で行っております。子供の内から続けておけば大人になっても柔軟性が維持できるはずです。ついでにこっちに来てからは運動不足もあるので大事です。
そしてその後は朝食の準備ですね。最近は朝食がお米になったのでパンが鳴りを潜めてます。
やっぱり黒パンは保存食の意味合いが強いみたいです。早い所あれを完成させないと……。
部屋の隅の日差しのいいところに温度維持の魔法陣の上に置いた瓶に目をやった。
中には前に作った含蜜糖を砕いて砂糖代わりにした物を水で溶かし込んだ砂糖水を瓶の中に入れて刻んだプアを漬け込んでいます。
なんでもこの瓶、昔ダンジョンで手に入れたもので最初はポーションが入っていたとか、今は使いきったので中身はないですけど透明な瓶はそこそこ高価なので取っておいたんだそうです。
現在この瓶で作成しているのはプアの実を使った天然酵母ですね。うまくできればおいしいパンができて黒パンとはおさらばできるかもしれません! 現在作成してから3日が経過してます、作り始めてからは毎朝と念のため夜に空気を入れてシェイクしています。
あ、ちゃんと一度お湯で殺菌消毒はしていますよ。うまくいけばあと数日でシュワシュワと音を立てて美味しいパンを焼くための酵母ができるはず。
さて、朝食ですがやっぱり材料が足りないんですよね……。確かに野菜やお肉は有るんですけど、調味料がお塩、油、そして少量ですが魚醤ですね。そうなるとやっぱり作れるものが限られまして、やっぱり卵とかバターとか醤油とか色々欲しいところです。
とりあえず今日の朝食は朝から野菜のスープと、食料庫に保管しておいた前に軽く搾ったミニギャロと、オニ玉、ピーマン(ピーマンはなぜかそのままだった)それを細かく刻んでフライパンで炒めていきます。
そこに塩で味を整えつつ魚醤を少量入れていきます。そしてそこに炊いておいたご飯を加えてさらに炒めていきます。
そして出来上がったのがこちらの大盛りチャーハン(魚醤なのでパエリア風味)の完成です。
後は残ったお米で塩むすびを作って完成かな。こんど海苔とかも欲しくなりますね……。
そうしている間に匂いに惹かれて起きだす二人。
「ん~、いい匂いだ」「最近朝は腹が減ってしかたねぇよ~」
ガルドパパとヴェルグ兄様は最近ご飯のにおいに惹かれて起きてくるようになりましたね、やっぱりおいしい朝食と言うのは最高の目覚ましなのでしょうかね?
そしてそのまま朝食になりました。チャーハンも好評で、あっと言う間に無くなりましたね。恐るべきはご飯の魔力か……。
「あ~、食った食った……」「う~む、米というものはここまで美味いとは……、いやむしろ調理するものの腕がいいということだろうな」お腹をさすりながら余韻に浸っております。
「ガルドパパ、今回の件本当にいいの?お願いしておいて言うのもなんだろうけど……」
実は今日、ガルドパパたちはお出かけなのだ、その理由は僕がガルドパパに頼んだものが始まりなのだ。
あれは4日前の砂糖を作った後の夜、ガルドパパに遠心分離器と石窯についてお願いしたとした時のことだ。
「遠心分離機に石窯? 何に使うんだ? 遠心分離器はまだ分かるが」
「遠心分離器はお砂糖作るのに欲しいの! それに石窯も料理を作るのにほしいの!」
そう言ってガルドパパを説得しにかかる。遠心分離器は高いだろうからダメでも、石窯ならまだ作れるんじゃないかなっと考えて見たのだ。でも、魔法陣使えばオーブン代わりの物はできそうなんだよな……。
「そうだな、遠心分離器は高いからな、今すぐちょっと買うのは厳しいな……石窯が欲しいとのことだが何が作りたいんだ?」
「パン!というか焼き物全般かな?」石窯でピザとかグラタンとかケーキとか……結構作れるものあるよね。
「う~ん、ここで石窯はな……パン作りなら魔法陣で代用できるからそれでどうだ?」
まあ、そうなるよね、石窯じゃなきゃダメってのはそれこそ陶器とか炭でも作らない限りは今はそこまで必要じゃないか。
「うん、それでいいけど、どんなのになるの?」
「そうだな、どうせならなるべくいいものを作りたいしな……ちょっと取りに行ってくるか」
「え? 取りに行くって?」
「なに、ちょっと石窯の壁にする部分を取りにな、出発したらもしかしたら2~3日空けるかもしれん」
と言うやりとりがありまして、今日がその出発の日なんですよね。なので朝食はいつもより多めに作りました、身体能力強化を使っているとはいえ、女の子の体は疲れるわ~……、基本的に迷いの森の中では女の体、クーゲル領では男の体で活動してるんですよね。
「おむすびはいくつか包んで持っていく?」
「そうしてくれるとありがて~」
おむすびをお湯でサッと殺菌した笹で包んでいまとめて袋に入れていく
ついでに念のため、二人にマーキングしておこっと、これで二人の位置情報も来るから、いつ頃帰るかもわかるでしょう。
ゲームみたいにPT画面とかあればいいのにね……。
【複数人の近しい存在へのマーキングを確認しました、一部の機能を開放します】
なんか開放された! 折角だから開放されたの見てみよう……。二人の前でわかりやすく「ブック」と唱えてメモリーズブックを取り出す。
「ん? どうした? 急に本を取り出して」二人共興味ありげに見つめてくる。
「えっと、なんか新しい機能が増えたみたいでちょっとそれの確認をしようかなって」
そして本の機能拡張項目を確認していくと、【パーティー機能】【魔石変換機能】【亜空間倉庫(微小)】の3つが増えてた。
(えっと、現在の貯蓄した残高は……1500MP、パーティー機能が1000で、魔石変換が700、亜空間倉庫微小が5万か、倉庫は置いとくとしてどっちか片方かな……ん?そう言えば確か)
ふと思い出したのだ、前に手に入れたインプの魔石のことを。これ使えば問題なく両方開放できるのではと。早速インプの魔石を倉庫から取り出すと【魔石変換】機能を開放する。
「どうしたんだ?魔石なんか取り出して?」ヴェルグ兄様が興味津々に聞いてくる。
「えっと、本の機能で魔石変換機能って出たから試してみようかなって。この本には僕のMPを蓄える機能があるんだけど、その蓄えたMPで色々な機能を追加してるんだよ。それで機能の一つとして魔石をこの本のMPとして変換できる機能が今できるようになってそれで試してみようかなって」
そして、インプの魔石を本の上に落としてみるとチャポンっと本の中に消えていった。
【インプの魔石は200ポイントになります、変換しますか? Yes/NO】と出たので Yesで変換を実行した。
(よし! これなら両方問題なく手に入る!)
それから早速【パーティー機能】を拡張、さっそく二人に使ってみる。
「なんだこりゃ?」
「なんか文字が浮いているな、なになに? パーティーに誘われました、許可しますか?」
どうやら二人の視界には確認ウインドウが出ているみたいですね。
「それ、許可って念じてみて」
「許可すればいいのか?」そして二人が許可したら、視界に二人のアイコンとHP、MPバーが現れた。
今のところ数値は出ないけど、バーの増減だけでも幾らか助かりそうな気もするな。
「おわ!?なんだこれ視界の隅になんか見えるぞ!?」
「これは何と言うか……面妖だな、だが、お互いの状態はなんとなくで分かりそうだな」
二人の驚いた反応を見ながら、自分の方は画面を見ながらいくつかある機能の中で面白そうな機能を見つけた。パーティー内(ここからはPTに省略)における機能権限付与というものだ。
その中に亜空間倉庫の出し入れ権限というものだった。
(あれ? これってつまり僕の亜空間倉庫がオンラインゲームで言うPT内の共有ストレージみたいな事になるのかな……)
そんな事を考えながら他の機能を見ていった、中には念話機能とかチャット機能まで有るのにビックリしていた。
「しかし、これだとちょっと視界を塞いで邪魔だな」
「そうだな、常にこれだとちょっと困るぞ」
あ~、確かに必要な時以外は邪魔だよね、えっと多分念じればある程度はなんとかなるはず。
「ならその表示を切るって念じてみて、表示させるなら表示って念じれば多分表示するかしないかは自由なはず」
二人にそう言ってみるとすぐに「おお、ホントだ!自由に表示できるな」
その後も二人に付与した機能を説明していく。
「マジか!?てことは荷物少なくできるってことか!?」
「と言っても僕の亜空間倉庫はそんなに入らないからちょっとした手荷物とかお金を入れた袋とかになると思うけどね」
「だがそれでもありがたい、荷物が減らせるのは大いに助かる」
その後しばらく二人に頭をなでくりされることに、ついでに「他の人にこの能力はよっぽど信頼できる人以外には教えちゃダメだぞ!」っと念を押されました、僕だってそのぐらいの分別はあるんですよ!
それからしばらくして、出発して行く二人を見送っていきました。聞いた所によると、【一度行った、もしくは認識できる場所ならその近くの森に転移することができる】とのことです。言ってしまえば一度行ったことのある森には行くことが出来ると言うことでしょうか。
これ、やろうと思えば交易チートできますよね? ウィロウじぃじはそう言うのにここを余り使ってほしくはないそうですからやりませんけどね。
その後は僕も準備して一週間ぶりにクーゲル領です。実はまだクーゲル領を自分の足だけでちゃんと見たことなかったんですよね。
さて、それでは 「行ってきま~す!」「気をつけて行ってくるんじゃぞぉ~、夕方にはちゃんと帰ってくるんじゃぞ!約束じゃぞ~!」
ウィロウじぃじに見送られながら森を歩いていざクーゲル領へ……
しかしこの時僕は気づかなかったのだ……この5年近い生活の中である意味ですごく大事な事実に気づいていなかったのだった。
そう言えば10万文字で思い出したんですけど、今なろうのトップにある
3回OVL大賞応募作 あれって、これ出品しても大丈夫なのかな?
10万文字の条件は満たしているので出してみるかちょっと悩んでます。
なのでご意見ご感想お待ちしております!
(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブルしながら




