第69話 オーレンをかたる者
その後は、いつも通りの調子に戻り、旅は順調に進んでいた。
貿易都市ザンドクルまではあと二、三日で到着の予定だ。
全員で歩いていると、暗闇に覆われた村が見えてきた。
「なんだ……あれ……」
俺は思わず言葉を失う。
「闇に覆われているように見えますね……。何があったのでしょうか……」
ルクスハートも驚いている。
「見に行く……ってことでいいか?」
俺は全員の顔を見る。
全員から、それでよいとの返答がある。
◇◇◇
闇に覆われた村に到着する。
「この感じ……闇魔法か……。それもかなり強力な魔法だ……」
俺は呟く。
「ひどい……。陽の光が入っていないです……。植物も枯れてしまっていますね……」
ルクスハートは自分のことのように辛い顔をする。
「村の人も悲しそう……」
セラは泣きそうな声で話す。
「誰がこんなことしたんだ……? 何が目的だ……?」
シェリナは怒りをあらわにする。
「わからないな……。とりあえず、村人に話を聞いてみよう」
「すみません。冒険者なのですが、何があったのですか?」
俺は近くにいた青年に声をかける。
「ああ、旅の方ですか……。実は三日ほど前からこのような状態なのです。もしよければ聞きたいのですが、『ヴェル』という名前の方をご存知ではありませんか? ちょうどあなたのように、髪が黒髪ベースに斑に灰色が混ざっている方だそうなのですが……」
青年は元気なさげに尋ねてくる。
「ん……? ヴェルは俺だが……?」
俺は疑問符を浮かべながら、答える。
「なっ……! あんたが! 悪いが来てもらう!」
青年の顔つきが急変し、俺の腕をガシっとつかむ。
「おいおい、何なんだ?」
俺は腕を振り払おうとする。
青年は腕の振りに合わせて、振り回されて地面を転がる。
「おいっ! 何やってるんだ!」
村人達が集まってきた。
「ちょっと待て! 『何やってるんだ』ってのは俺のセリフだ。俺が何かしたか?」
俺は声を大にする。
「そうですよ! ヴェル様が何かしたというのですか⁉」
ルクスハートが怒った口調で村人に詰め寄る。
「そんなことは俺達が聞きたいよ! あんたを連れてこないと、この闇はずっと続くって言われてるんだ!」
村人の一人が困ったような声で叫ぶ。
「そんなこと誰に言われてるんだ?」
俺はやや声のトーンを低くして尋ねる。
「オーレンって名乗ってたよ! 勇者の名をかたってやがるんだ! あんなどす黒い戦士が勇者の訳ないのにな! 全くふざけた話だよ!」
村人は怒りをぶちまけるように話す。
「オーレン……」
俺は過去に受けたオーレンからの仕打ちを思い出し、思わず苦虫を噛み潰したような顔をする。
「とにかく、あんた一人を連れてこいって話なんだ!」
「そのオーレンっていうのは、勇者には見えないんだよな?」
俺は静かに尋ねる。
「勇者なんかには全く見えないね。噂じゃ勇者の装備っていうと、黄金の鎧だって聞くけど、あいつは全く逆だよ。漆黒っていう言葉がお似合いさ」
「なるほど……。あと一つだけ、オーレンって奴は一人なのか?」
「ああ、一人だけだ。一人だが、化物みてぇに強い……。村の警備兵も全員倒されたよ……」
村人は悔しそうに拳を握る。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるの!!」
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