第59話 地下室
「ルクスハート、シェリナ。この人達を保護してくれないか? 傷がある人は手当もしてほしい」
俺は二人の顔を見る。
「わかりました。……みなさん! 私はシスターですので、浄化や回復ができます。みなさんの体調を確認しますね」
ルクスハートが村人に自己紹介をしつつ、順番に体調を診ていく。
「アタシは見張りと、人間に戻った人の迎え入れで待ってるよ」
シェリナが自分の行動を確認するように、声を出す。
「そうしてくれ。二人共頼む」
「わかりました」
「了解だ」
二人から返答がある。
「セラ、何度か同じように、村を往復したい。まだ大丈夫か?」
俺はセラの目を見る。
「セラ……まだ大丈夫! でも、ずっと《セラファーンズ=ブレシング》使ってると……お腹空いてくる……」
セラはお腹をさする。
「エネルギー使うもんな。アルミラージとオークの干し肉がある。お腹が空いたら、食べてくれ」
俺はカバンから干し肉を複数取り出し、セラに渡す。
「干し肉……! セラが好きなやつ! セラ……がんばります!」
セラはやる気が出たようだ。
よかった。
「よし! じゃあ、いくぞ?」
「はい!」
俺とセラは村の中に入っていく。
そこからは、《セラファーンズ=ブレシング》で上げたスピードで、ゾンビの不浄を吸収していった。
中には〝元々ゾンビだった魔物〟も相当数混ざっていたため、魔物は俺とセラで倒していった。
◇◇◇
「結構な人数を助けられたな……。それにゾンビも倒した。ここまで順調だと、逆に不安になってくるな……」
俺は呟く。
「ヴェル様……何か心配……?」
セラが純真な瞳で尋ねてくる。
「まあな……。俺の読みではゾンビを率いているやつがいると思うんだ。ゾンビの大群が急にこの村を攻めてきたみたいだからな……。そいつがこれだけ、ゾンビを浄化してるのに、動かないのが奇妙でな……」
「ヴェル様すごい! そんなこと、セラ考えてなかった……!」
セラは驚いた顔をしている。
「推測でしかないんだけどな……。でも、あまり気を抜いてもいられない。あとは一番大きい家だな。村長の家か……?」
「そーかもです!」
セラが無邪気に答える。
「よし、じゃあ、最後の浄化をするところだ。気を引き締めていこう……」
「はい!」
◇◇◇
俺とセラは村で一番大きな家の前に来た。
「なんだ……? 明らかにこの家だけ雰囲気が違う……。不浄の気配をビリビリと感じる……」
俺は身震いする。
「セラも……感じます……。危険な感じ……」
セラも軽く震えているのがわかる。
「……セラ、もし危なくなったら、俺を置いてルクスハートとシェリナのところに戻るんだ。わかったか?」
俺はセラの頭をなでながら伝える。
「セラ……ヴェル様守る! 逃げない……!」
セラは強い意志を感じさせる瞳だ。
「セラ……気持ちは嬉しいが……」
話している途中で、セラが頬をつねってくる。
「ヴェル様、自分のこと……もっと大切にすべき……。セラが守りたいと思った……。だから守る!」
セラは泣きそうな瞳で訴えかけてくる。
「……ありがとう、セラ。じゃあ、頼むよ。……ただし、俺が逃げるように言った時は逃げてくれよ。これは俺の願いなんだから……」
俺は思っていることを素直に伝える。
「…………セラ、わかった。ヴェル様の願いも叶える!」
セラは真剣な表情で応える。
「そうか、偉いぞ。セラ! じゃあ、行こうか。ここからは何が起こるかわからないからな」
俺達は家の扉を開けた。
そこには机や棚などの普通の家の風景があった。
「……どうも、嫌な気配は地下からするな……」
俺は顔をしかめる。
「セラもそう思う……ます」
「どこかに地下に繋がる道があるはずだ。探そう」
俺はそう言い、家の中を探して回った。
しばらく探していると、地下室に通じる出入口が見つかった。
「随分とそのままだな……。罠か……? だが、この下から嫌な気配がしている。見に行くか……」
俺はセラを見る。
「セラもこの下があやしい……思う。いこ……」
セラは静かに返答する。
いつもの無邪気な口調ではなく、危険を察知して警戒しているのがわかる口調だ。
カンカンカン……。
俺達は階段を使い、地下室へ下りていった……。
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